2014年1月28日火曜日

優れた力量を保持することの重要性

「それじゃ、よろしく」

「お? 柾、今のはニコニコ電業さんの村上さん?」

「ええ、そうですよ」

「今度の改修工事の打ち合わせか。なんか、だれだれじゃないとだめだとか言っていたが」

「工事作業者に、ニコ電の児島君と森君を指名しただけですが?」

「それだよ。なんで指定したんだ? そいつらじゃないとできない工事じゃないだろ」

「ええ、作業自体はそれこそ、資格を取ったばかりの連中や高卒だって、チョット手本を見せればできる程度のものですね」

「だよな。それなのにわざわざ指名する意味ってあんのか?」

「いくつか理由がありますが、最大の理由はニコ電さんも今は刈り入れ時ですからね。工事に人を裂きたくても裂けない以上、二人から三人程度で回ることになるでしょう」

「まぁ、大規模な工事でもあそこは少数精鋭だよな」

「申請自体は10人近くでやりますけどね。でまぁ、さっきも言ったとおり、少数である以上、それなりに時間がかかるんですよ。で、この二人なら二倍速でしかも丁寧な仕事をしてくれるわけです」

「そんなに違うのか?」

「違いますね。昨年なんかは、難易度は高くなくても三日はかかる工事があったんですよ。でも三日もラインを止められないわけです。なので、二人を指名して一日半で終わらせて仕事に穴を空けさせなかったとかもありますよ」

「ほう。通信系だと、電電フォンの池上さんに直接頼むようなもんか」

「ええ、あの人、もう定年退職して結構たつのに、会社が話してくれないって愚痴ってました。まぁ、うちも池上さんに止められたら困りますけどね」

「そう考えると、やっぱ、仕事は人だよなぁ」

「ええ、ISOだと、力量を確保している記録とか言ってますが、あれって最低限ですよ。いくら資格があって作業する手順を理解してても仕事が遅かったり回せなかったりじゃ、宝の持ち腐れですからね」

「ISOの審査員補の資格とかぁ?」

「はは…まぁ、それもありますけど」

「そもそもISOの力量って、資格やスキルのことを指しているのか?」

「いえ、そこまで具体性は無いですね。個人的には『その人が期待や要求をみたしているかどうかを証明しろ』というのが、本来の意味だと思ってますが」

「となると、ISO事務局の力量を証明する記録ってのは、『会社が期待し、他の社員が要求したことに応えた結果』の記録ってことになるのか」

「問題なのは、『何を期待されているか』『何を要求されているか』と言うのを理解していないことでしょう」

「で、実際に期待されていることってのは?」

「『ISO事務局を無くすこと』この1点につきますね」

「なるほど。ISO事務局として優れた力量を持つ連中は、自らを滅ぼすってことか」

「『悪貨は良貨を駆逐する』と言いますが、この場合は『良貨は自ら駆逐され、悪貨のみとなる』なんでしょうね」

2 件のコメント:

  1. >その人が期待や要求をみたしているかどうか
    また、同時に「満たしてる人材が作業をしろ」という意味にも、鶏は考えています。トンチンカンな仕事をしてお金を貰えるなんてISO審(略

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    1. 名古屋鶏様、まいどです。
      >満たしてる人材が作業をしろ
      その場合は日本社会に置き換えると「要求を満たしたチームが作業しろ」と見るのがポイントなんだろうなって思います。
      欧米社会のように、それぞれの役割と権限と要求されていることが契約で明確にするのが難しいと愚考いたしますので。

      ISO審査員とその会社はトンチンンカンな仕事(書かれていない越権審査及び事故ンサルティング行為)してもやっていけるのは、このあたりも要因の一つじゃないかなと(==;

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