2014年1月11日土曜日

いまさら、環境のISOを推進されても、、、困る。


記事:環境のISO取得を後押し
広島県は、環境に配慮する企業を対象にした国際規格ISO14005の取得を後押しする。今月から取得費の補助を始め、無料のセミナーも近く開催。中小企業向けに国内で2012年に導入されたものの、県内で取得...
ISO14005ってなにや? って思ってググル先生に尋ねてみると
先生「ISO14001の要求事項61項目を108項にわけ、それをさらに三分割して段階的に評価項目を増やしていく段階型環境マネジメントのことじゃ」
とのこと。
最終的にISO14001になるという形ですから、審査は14001の審査員が行うのでしょう。

個人的に、この「段階型」というのは、どうかという感想を持ちます。



というのも、「従来業務の中で、ISOの規格の要求事項に適合している活動はどれか?」というのを審査し、「規格要求を満たしていない部分を洗い出す」という方向でマネジメントするのが、ISOの本来のあり方だというのが、私の中にあります。

たとえば、外部コミュニケーションでいえば、HPその他にて「代表電話」を公開しており、名刺などにも代表電話と住所を記載している。
ステークホルダーは、問い合わせするための宛先情報を入手しようと思えば入手できる環境です。
この時点で、「外部の利害関係者から関連するコミュニケーションについて受け入れ、文書化し、対応する」という要求は満たしております。
これを満たしていない会社といえば、オレオレ詐欺の会社や不動産勧誘やマンションの訪問販売(連中は、買わないと決定した客に対して配布した名刺を回収する)などの悪徳会社くらいでしょう。

文書管理についても、番号登録の方法や採番台帳など存在し、そのためのルールは存在することでしょう。
そういった、要求事項に対応するルールは、どのような会社でもすでに持っているので、その持っているものが「要求事項を満たしている」ことを確認すればよいと考える次第です。

しかしこのような段階的な審査を行うとなると、まるで「要求事項を満たすためのルールを段階的に用意する」ことを推奨するように感じてなりません。
認証登録しても、登録会社も認証会社も一切何も保証するものですらなく、また登録についてもダブルスタンダードを良しとしているこの制度に、どのような価値があり、広島県はどのような狙いで補助金(これは税金です!)を出すのでしょうか?

もし、広島県が、補助金を出すことにより、ISO認証登録による「具体的な効果」、ISO的に言えば「ISO認証登録結果に関する有効性のレビュー」を行い、その結果を公開してくれるのであれば、私としては賛同するのですが………
(この場合、サンプルはたくさんないと評価できないでしょうから、方向性としては正しいですし)

とはいえ、このようなことに税金を使われる広島県の県民は不幸でしょうね。
認証登録件数が右肩下がりで落ち目のISOをいまさら推奨するということが通ってしまうのですから。

2 件のコメント:

  1. きっと広島は環境意識がとても高くて、そうした活動を推進したいという思惑があるのでしょう(棒
    間違っても、食い扶持に困ったコンサルや認証機関から泣きつかれて仕方なく(以下略

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    1. 名古屋鶏様、まいどです。
      >泣き
      なるほど、確かに広島は前科(コネ枠による不正採用)があるので、不思議じゃないですね。
      特に審査員などを定年後の職枠として確保したいという思惑を持つ人が手をまわしていても驚きませんし、環境を名目にすれば、会計監査院に対しても言い訳が立っているのが実情です。
      (特に「中国からの公害の影響を受けるので、県内の排出量を少しでも減らす努力の為に~」といえば、封殺できますわ)
      確かにその視点は無かったっすわ。

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