2012年4月24日火曜日

瞬間湯沸かし器 ユーマッハの感想



この製品を購入(アマゾンではなく楽天ですが)して使用した感想と考察を。

  • 価格について

この製品の価格は5.5千円~7.5千円の間といったところでしょうか。
価格でいうと通常の電気ポットと同じ程度の値段でしょう。
ただし、魔法瓶タイプの電気ポットと比較すれば、あちらは一万円を超えるので、3千円程度安いという感想です。
お湯を沸かして保温しないのであれば、電気ケトルという選択肢もあり、そちらと比較すれば3千円程度は高い。
コーヒー程度の温度で十分であれば、コーヒーメーカーのお湯沸し機能を利用すればよいので、安いコーヒーメーカーは千円程度なので5千円高といったところです。
出力するときの温度調節機能として3つあるので、用途に合わせたお湯を出すことが出来るので、ケトルやコーヒーメーカー及び電気ポットに比べて汎用性は高いのですが、この点はプライスレスといったところでしょう。

  • 省エネかどうか?

ポイントとして二点。
お湯を沸かす時のエネルギーと保温する時のエネルギーの問題。
お湯を沸かす時であれば、おそらく瞬間的に沸かす必要がある分、省エネではなく増エネでしょう。
(とは言っても、電子レンジでお湯を沸かす分に比べれば省エネだと思いますが)
ただし、この点についてはどちらも「電気ヒーターでお湯を沸かす」という時点で、瞬間的な電流量の問題であってトータル的な電気量にそれほどの差はないと思います。
(もし、最新の電気ポットや電気ケトルがIH機能でお湯を沸かしていても、それほど大きな差はないと思います)

次に保温する時のエネルギー問題。
電気ポット(以下「ポットA」とする)の場合、保温機能をOFFにすると一晩でお湯の温度が下がります。(大体25℃くらいまで)
魔法瓶タイプの電気ポット(以下「ポットB]とする。)の場合、魔法瓶機能をONにすると一晩でお湯の温度が30度下がります。(大体60℃くらいまで)
保温状態の温度を90℃とした場合、6時間程度で前者は65℃、後者は30℃下がる計算であり、一時間当たりの熱損失量を求めると前者は約10℃、後者は5℃といった計算が成り立ちます。
1Lあたりの温度を上げるために必要な熱量は1kcalなので、ポットの水量が2Lの場合は2Kcal必要となります。
一時間当たりの熱損失量から必要なエネルギー投入量を求めると一時間当たりポットAは20Kcal、ポットBは10Kcal。
電気1kwあたりの熱量は860.4kcalで熱エネルギーに変換損失を20%と仮定。(約688Kcal/kw)
保温の年間エネルギーを求めると、(24時間365日で計算) ポットA175,200Kcal,ポットB87,600Kcal。これをKw換算すると、ポットA254.65Kwh ポットB127.32。1kwhあたりの電気代を21円で計算するとポットA5347.65円、ポットB2673.83円
これらを表に表わすと下記の通り







必要エネルギー量Kcal/hKcal/年Kw/年円/年
ポットA20175,200254.655,347
ポットB1087,600127.322,6273

電気代とく子さんに変えた時のお父さんのお小遣いは、上がっても月200円という計算が成り立ちます。って、違いますなww
買い替えをした場合、ランニングコストでいうと、ポットAなら一年半で、ポットBなら三年で元が取れる形ですね。

これらか購入するのであれば、こちらの方が安くで経済的と言えます。

  • 使用感
  • 水量

出力温度によって変化しますが、98℃出力の時はかなりちょろちょろです。
カップラーメンのお湯として給水量は大体300mlなのですが、300ml入れ終わるのに1分30秒程度かかりました。下の方の面はすでに半分が出来上がっている計算です。
コップを置いてボタンを押してちょっと席を離して戻ってきた頃に貯まっているという感じでしょう。そこからカップラーメンの容器にお湯を注ぐという使い方をすれば中途半端に面が伸びることもありません。ケトルで沸かして使うかコップに貯めて使うかの差でですね。
補足:1分30秒の件ですが、温度が低ければ当然時間も短くなります。
湯沸し給油時間をケトルと比較すると

こちらが 0.6Lのお湯を沸かす時間は約3分10秒ですので湯沸し速度はほぼ同じとみてよいでしょう。

  1. 利便性

人が飲むのに適した温度やお茶をおいしくいただくのに最適な温度などを気にするのであれば、温度調整できる分、割と使い買っては良いでしょう。
まぁようは、茶葉を使う場合は98℃が好ましいのですが、インスタントなどの粉末を使う場合はもっと低い温度で十分です。
そういった使い分けができるのは利点と言えます。
次の利点は、ケトルと違って水の補給量はポット並みな点です。電気ポットを使う場合はプラスでも何でもないのですが、ケトルなどを使う分については、使用水量が多いとき、何度も継ぎ足ししなくて済む分はメリットでしょう。(この場合は電気ポットの利点とも言い換えられます)
ただし、上の水量でも言いましたが一度に大量のお湯を使用するには向きません。
例えば、2Lのお湯を使う場合、電気ポットの場合は全量がすぐに使用できますが、この機器の場合は最大水量が300mlの為、2Lの水量を使う為に7回、1分30秒毎にボタンを押す必要があるのがデメリットといえるでしょう。また、2Lのお湯(98℃)を出すために10分近く時間がかかる点もデメリットです。ただし、この製品ではなく、新たにヤカンやケトルなどで2Lのお湯を沸かす場合の時間と比べれば、あまり大して時間に差があるとは思えませんけどね。


  • 匂いについて

購入前から匂いについてのレビューされていたのは理解していたので、台所洗剤である塩素剤をタンク(水は1L程度)に入れて洗浄モードを一回押し、5分放置した後、洗浄モードでタンクの水がなくなるまで実施。その後、タンクを水洗いした後、2L入れてタンクの水を水モードですべて出力。その後、再び水を補給して98℃ですべて出力。
以上の作業を事前に実施したので、匂いについてはもしかしたら残っているかもしれませんが、気になりません。(気が付いて気になるような匂いはない)

  • 衛生面について

これ結構重要です。
電気ポットの場合、お湯を沸かしている段階で保温されるので、雑菌などは高温の為に繁殖しません。
しかしこの製品の場合、通常時は常温で水を補完するため、長期間使用されない場合はタンク内で雑菌が繁殖する懸念があります。
仮に雑菌が繁殖しても、98℃で出力すれば高温になった段階で殺菌(沸騰殺菌というやつ)されるので良いのですが、例えばミルクモードなどの低温(それでも50度は越えているんですが)で使う場合はちょっと危ないとみてよいでしょう。
このあたりの詳細な情報はあまり見かけないので、実態は不明です。
ミルクモードの温度でも十分殺菌されるにかかわらず、水をそのまま出すモードで出力し、その水を飲む危険性はやはり残るわけです。
ただし、塩素(カルキ)を除去しない浄水器の水、または水道水を使用した場合は、水の中に含まれる塩素の効果で4日は放置しても雑菌は繁殖しません。

  • カルキについて

電気ポットのカルキ飛ばしがないので、水道水を使用する場合はカルキ臭さは残ります。
カルキを除去した水を使えば匂いはありませんが、衛生面で注意が必要となります。
カルキの匂いが気になるのであれば浄水を使用し、水はこまめに交換するか、高温で出力のみと限定すればまぁOKかと。


以上がユーマッハの感想となります。