2019年6月20日木曜日

夫婦の老後資金「2000万円が必要」根拠は厚労省が提示 麻生氏の説明と矛盾

記事:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190612-00000112-mai-pol

2000万の根拠は
「実収入20万9198円と家計支出26万3718円との差は月5.5万円程度となっている」
という物のようです。
ただし、民間委員の
「(試算にある)社会保障給付の19万円は、団塊ジュニア世代から先は15万円ぐらいまで下がっていくだろう。月々の赤字は10万円ぐらいになってくるのではないか」
これ、かなり重要な発言でもっと取り上げた方が良いのでは?と思っています。

15万は一人当たりの支給額なのか、夫婦合算の金額なのか?
「実収入20万9198円」は夫婦合算の値だから、夫婦合算で15万という恐ろしい状況なのかもしれません。間違いなく生活保護を受けた方が人間らしい生活ができるでしょうね。

今回のこの騒動で著名人や芸能人の中には、共産主義を例に挙げて

「必要なサービスを受けるにはそれ相応の対価が必要だ」と主張する声もあります。
「必要なサービスを受ける為に増税する必要がある」
「お前たちが選んだ政治家が決めたことだろう」
「文句があるのなら他の政治家に投票しろ」
「日本は資本主義の国だから自分で何とかするのは当たり前」

という声もありました。


なんというか、「全力で話を逸らせ」とスポンサーなどから圧力でも掛かっているんじゃないかと首を捻るばかりです。





主張.必要なサービスには相応のコストがかかります。現状のサービスを提供するのに必要なリソースが足らないのです。
反論.現在支払っているリソースで、そちらの提示したサービスが受けられるという説明だった。それを無視して「それ相応の対価が必要だ」という論法は成立しない。

主張.必要なサービスを行う為に、リソースをさらに回収(消費税増税)するしかない。
反論.回収しているリソース(消費税)で、別のサービス(子育て支援)にリソースを割り振っている現状でその論法は成立しません。

主張.投票によって選ばれた政治家の決めたことですので、これは民意と言えます。
反論.民意の介入は政治家の選択までで、法の改正や制度に関する決定について直接的な介入ができません。
  また、選ばれた政治家が心変わりを起した場合、心変わり後から次の選挙までの間、その政治家の行動や活動は民意が反映されているとはいえません。
  さらに言えば、民意によって選ばれたといってもその民意は国民の総意ではありません。
  政治家を選んだから=民意の代弁者ではなく、現状の制度では、民意は不確かな状況下でしか国政に影響を与えることしか出来ません。
  民意を持ち出すのであれば、正しく民意を反映する為の政治を行う為に、国会によって決定されるあらゆる事項に国民による投票を行う機会を設けなければその論法は成立しません。
  また、政治家や官僚だけでなく、民意によって制度の改変を提案するきちんとした仕組みの構築も必要です。
  (署名を募って提出して終わり、その提案内容を採用するかどうするかは提出先の機関の良識にゆだねられているのが現状です)

主張.文句があるなら他の政治家に投票しろ。
反論.本件は政治家が国民を詐欺に嵌めたことにあります。
  「高配当間違いなし」といってお金を集めて最初のほうだけお金を払ってドロンする詐欺と内容的に変わりありません。
  その為、詐欺を働いていた人達がキチンと「詐欺罪」の罰を受ける必要があります。
  そして、詐欺を働いていた政治家が次の選挙に出馬するかどうかも現状では不明です。
  以上より、「他の政治家に投票しろ」という主張ですが、今回の年金問題に関わっていた人達が詐欺としてきちんと罰した上で「出馬」をしてもらうという条件を成立させてから、始めて主張できる問題となります。
  前提条件を満たしていない状況下でその論法は成立しません。

主張.日本は社会主義(共産党)の国ではなく資本主義の国である。自己責任の国だ。
反論.日本の社会構造は100%資本主義で成立しているでしょうか?
  社会主義と資本主義の違いは、ざっくり言えば公共・公平と商品・サービスです。
  後者は商品やサービスが欲しければ個人でそれを購入して消費する考えです。
  前者は誰でも商品とサービスの提供を受けられますが、提供の有無、サービスの受益の有無に関わらず一定の金額を納める必要があります。
  全てにおいて完全な資本主義で成立する国家又は全てにおいて完全な社会主義で成立する国家なんて存在するでしょうか?
  社会構造を占める割合が資本主義に傾向していれば資本主義国家、社会主義に傾向していれば社会主義国家とカテゴライズしているに過ぎないと思います。(完全な社会主義国家が成立するなら金銭でのやり取り自体が不要になる)
  では年金はどうでしょうか? 年金を受給しないから年金を支払わないという選択が出来ますか?出来ませんよね。
  自営業の方が国民年金を払わないということは可能でしょうが、社会システム上は支払うという前提の制度です。
  また、厚生年金は本人の確認に関係なく自動で天引きです。
  では改めて確認します。
  年金制度の考え方は、資本主義の考えに基づいたものでしょうか? 国民健康保険と同じく社会主義の考えに基づいた制度ではありませんか?
  公共サービスの多くは社会主義の考えに基づいて行われているのではありませんか?その為の税金ですよね。
  今回問題になっているのは、個人で任意にかけることの出来る年金サービスではないのです。
  安心100年というサービスを出して強制的に年金を徴収しているのですから、年金制度は社会主義の考えに基づいているとみなすべきです。そしてサービスの公示内容より年金だけで生活できなければなりません。
  根本的な認識間違いなので、資本主義だから年金で生活できなきゃ自分で何とかしろという論法は成立しません。



という感じで、本質とは別な主張ばかりで、情けないなと感じております。

今回は、記事を見るとどうにも「本質的な部分から話を逸らしたい記事が散見される背景はなんだろう?」というのがお題です。

これらの動きから見えてくるのは
「国民一人ひとりが自覚を持って生活するのが当たり前」
「年金だけで暮らせると思っているのが間違っている」
「だから政府は悪くない」

という思考誘導をしたいのではないかと疑います。(それほど論点ずらしが酷いと感じたわけです)

現状の自民党内の動きは、詐欺である根拠の「貯蓄2000万円」の報告書受け取らず「間違いだ」として、詐欺を働いたことを認めていない状況下にあります。

実際、詐欺かどうかはともかく当初の契約と違うわけですから「契約不履行」として損害賠償を国は契約者である年金受給者に支払う必要が出てきます。(三権分立を知らない裁判所が法律をないがしろにした政治家よりの判決を出す可能性は大ですけど)

間違いを認めないのでのらりくらりとかわしていくでしょうが、政府側としては「貯蓄2000万円必要だから、みんなお金を消費せずにうまく運用してね」を認めてしまうと当然、一般的な消費が落ち込みます。
国民全体が老後に備えて「貯蓄」に動けば、税収(特に消費税)が落ちます。

「老後は安心なのでしっかり浪費してください」
といいつつ
「老後は不安なのでしっかり貯蓄してください」
と反対の主張を同時にする結果となります。資産運用であって貯蓄とは違うという主張はあるでしょうが、タンス預金しているわけでもなく銀行に預けているのであれば、預けたお金の運用は銀行が行っているわけであり、利息も発生している以上は、貯蓄=銀行に預ける=資産運用の分類に入ります。定期預金や普通預金は資産運用と認めないというのであれば、まずはそれを証明してほしいところです。

さて議論する点は何か?

何が問題でどこが間違っていたのか?
今の年金の税率の算出や年金の支払額だって、根拠なく決定された数値ではありません。
安心100年で年金受給者が持ち出しを必要としない部分で持ち出しが発生しているので
あれば、当然年金の受給額を増額させなければなりません。
原因分析を行い、間違っている部分に修正を行い改めて受給額や年金の税率を算出し、予算が不足するなら不足分をどうしようか?という議論になるのではないでしょうか?

そういった部分をぶっ飛ばした著名人や芸能人の公人としての発言は、本当に残念としか言いようがないですね。

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