2015年6月8日月曜日

起死回生 その2

会社経営が厳しく、社長は社員に対して起死回生の策が何か無いか求めた。

経理「人を削減しましょう(ただし、自分たちの部署は除く)。一人削減で年間500万のコスト削減が見込めます」
これに対して社長は「では各部署一名ずつ人を削減する方向で」と決定してしまった。
この案件を持ち帰った上司は課員に対して説明し、「ここで名乗りを上げれば英雄だぞ」といって部下を見渡した。

しかし誰も名乗りをあげようとしない。仕方なく上司は一人ずつ聞いていくことにした。

課長「エネルギー管理員、君は名乗りを上げるつもりはないかね?」
エネルギー管理員「かまいませんよ? ただ、私のポジションは法的要求に基づくものですから、代わりに法的責任者になってくださいね。リストラなんですから、引継ぎは期待しないでくださいね」
課長は機械のことなんてわからない為、そっとその場を離れた。

課長「産廃責任者君、君はどうかね? 英雄になってみる気はないかね?」
廃棄物責任者「会社の廃棄物担当が廃棄されるなんてなんてジョークですか? 私をリストラしても、会社の廃棄物は発生しますが、課長が一時保管この点検から各部門からの発生物を管理するんで?」
課長は泥臭い仕事をしたくないため、そっとその場を離れた。

課長「環境管理責任者、君はどうかね? 規格改定で環境管理責任者は必要じゃなくなったと聞いたんだが」
環責(係長)「では代わりに環境管理責任者は課長がなさるのですか? 地元への説明や各種法的手続きに設備の点検確認や内部監査の為の各部門への調整は責任もってやってくださいね」
課長「なら、廃棄物やエネルギー管理に関しての業務を併任してみる気はないかね?」
環責(係長)「補佐する人員を配置してもらわないと、マンパワー的に無理です。元々法的責任者なんですから、責任者の課長が実施するのが(法的にも)本来の役割ですが?」
課長はこれ以上はやぶへびだと思って、そっとその場を離れた。

最後に行き着いた先は、本命のリストラ候補枠でもあるISO事務局だった。
課長「ISO事務局君、英雄になるときがきたようだ」
ISO事務局はきょとんとした目で課長に言った。
事務局「えっ? 今度は課長がこの席に座るんですか?」


(終)


リストラ問題はどの企業にもついて回りますよね。
大抵、早期退職者を募集し各自の意志に任せた場合、やめてもらっては困るキーマンががっつり退職希望を出してしまったりするんですけど、業務を監督できてない管理者は大抵後から気がつくんですよね。
しかも「やっぱりやめないでくれ」なんていっても、すでに次の仕事が決まってて残りの有給を消化しつつ、その有給で次の仕事先の仕事をしてたりして、どうにもならないと。

「コストの高くていなくても業務に支障が無い」という視点で見ると、役職の高い取締役や本社の部長さんや一番最初に来ると思うんですけど、告知される早期退職の対象には含まれていない不思議(大体現場や事務系の20代~40代で50代の管理職や部長職・取締は候補から外れる)

それを抜きにしても、個人的には経理部門が一番最初に筆頭に上がるとは思うんですけど、なぜかなかなか候補にねぇ、、、
(財務系のソフトでかなり自動化されているし、現場の部門の出勤管理や出張等の経理申請は本人がイントラ等に直接入力するように変わってきているのに人を減らさない不思議)

0 件のコメント:

コメントを投稿