2013年2月6日水曜日

照明事情あれこれ

本日は考察です。

第一世代照明:白熱球
第二世代照明:蛍光管
第三世代照明:LED

白熱球あたりは、車のテールランプなどでも現役(メーターパネルのバックランプなどでも使用)ですし、信号機用のランプとしてもいまだに使用されています。
蛍光管はオフィスの主流ですし、冷陰極管タイプであれば看板の照明などで多く使われています。
LEDは信号用やボタン用の小さな表示ランプ、フォトダイオードとしてのセンサー(LEDは太陽光から電力を作ることも可能。つまり、太陽光に対して感応性を持つため、明かりセンサーなどでも流用できます)

このように、LEDが照明としての用途を確立する以前から使用されてきています。
そして、第4世代照明としてのEL照明。

EL照明には無機ELと有機ELの二種類があります。
・有機EL
炭素原子が主体となり、タンパク質、石油、砂糖など生物により生成。
・無機EL
硫化亜鉛などの鉱物に電流を流して発光させる。
それぞれの違いは論点ではないので割愛しますが。




現状の一般的な要素は、小型電子機器のバックライトなどに使用されています。携帯電話でボタンが光るのもバックライトにELライトを使用している為です。
発行体ですから、発行色を工夫する事でモニタのような役割を持たせることも可能で、その技術を応用してソニーが世界初のELテレビを発表しました。
テレビ(モニタ)の従来の仕組みは(ブラウン管は除きます)、液晶に光を当てるという仕組みであり、LEDモニタやTVというのは、液晶に光を当てている光源としてLEDを使用している。
というものです。ちなみに従来は冷陰極管を使用していました。
(冷陰極管はエネルギー効率の面でインバーター蛍光灯に劣りますが、その分寿命が3万時間以上とLED並みであり、ランプ交換が容易ではない、基本切れては困るなどの理由の製品にしようされているようです。例えば誘導灯とか)

ELテレビとは、この液晶とバックライトの二つの機能を合わせて一本化したものです。
(なお、バックライトとして無機ELパネルを利用するといったケースも存在しますが、ELテレビとは別扱いっぽいです)


とまぁ、ELについては歴史は浅いが用途がちらほら出てきたというわけです。
ただ、ELテレビも実際のところ従来の液晶テレビ以上の薄型化をしても、台座の部分やバランスの部分などの関係から、あまり意味をなさないという点があるので、あまり需要がみこめなかったのでしょうか、撤退して小型テレビ(スマートフォトンといった分野、ヘッドマウントディスプレイ)に集中するなど、やはり汎用性が高いといえるレベルではないようです。
ただ、モニタとライトの一本化のメリットは「薄型化」と「軽量化」です。
エネルギー効率的に言えば省エネとは言い難いのですが(器具損失分を考えなくていい点は省エネ性能抜群です。また、液晶分のエネルギーも別扱いになる点からみると、トータルエネルギーバランス的にはLEDに劣るが例陰極管に迫る。と言っていいかもしれません。LEDのようなグレアの心配もしなくていいですし)
また、製作コストはLED以上なので、蛍光灯に比べれば費用対効果に割が合わないのが現状(2013年段階)です。
TVといった細かいRGBコントロールを行う場合、大型化すればするほど内部の電圧が安定せずに色むらがでるでしょうが、照明用途オンリーで見れば、大型化はそれほど難しくないんじゃないかなぁって思います。
フレキシブルフィルムですので、ロール紙のように天井に広げてひっかけるだけで済みますし、何より軽いため、落下してもけがを負うようなリスクを避けることができます。
(逆に言えば、放熱の揉んだのために放熱板が必要なLED電球や放熱設計を必要とするLED照明の場合、従来の蛍光灯より重量が重くなるため、けがなどのリスクが増大するというデメリットがありますね。ガラスじゃないから割れる危険がないといっても重たい石が頭の上に落ちれば危ないですし)

とにかく軽くて省スペースですから、コスト面の課題が解決できれば、TVはともかく、照明としてLEDよりも優れている面もありますが……個人的には天井紙の代わりにELパネルというイメージなんですけども、(また無理に一枚の発光面を大型化する必要もなく、連結で十分ですし)交換などの作業面のことを考えると、メイン照明の用途として普及するかはちょっと微妙です。(単純に照明の面積が大きくなるから)


さらに期待する点は街灯や外灯です。 従来の外灯からフレキシブルチューブ型に変更し、電線のように電柱間に配線する形で設置することで、現状及びLED外灯の持つ均一性の問題を解決するだけでなく、面発行ですから外灯によるグレアの問題も解決し、まぶしさによる交通事故の防止にもつながります。
これは照明の中で唯一「照度コントロール」が可能である為です。
逆にLEDの場合、点発光の為、ついて従来の外灯以上に均一性著しく、またグレアの問題から交通においても眩しさによる問題、雪や雨なんかが降ると、地面(アスファルトからの反射)によって中央線の位置がわからなかったり通行人のロストといった現状があります。水銀灯だろうがLEDだろうが局部照明の限界がここにあるのですが、これを解決するのがELライトです。(チューブは電線並みの軽さを再現できるからやれるわけですが)

イメージとしてはこんな感じです。(下の白と黒のグラディエーションは、照度を表したもので、白ほど明るく黒ほど暗いという意味合いです)
従来の外灯は器具損失は著しいが、拡散光の為に遠くまで光が届く。
新型LEDライトは指向性のある光なので、器具下部に効率よく光を照らすので器具損失が小さくて済む反面、拡散光ではない為遠くまでは光が届かない。
イメージのELラインは面発光の為、発行面が下になるように設計しても風などの影響を受けて光が揺れるという、従来の照明にはない弱点があるが、器具損失はより小さくて済み(LEDのようなグレア対策が不要なため)、拡散光であり、ライン光の為に遠くまで光がむらなく届く。残光が発生しにくいのもメリット。

とまぁ、いろいろ想像できるんですが、まずは高速道路の看板やお店の看板のバックライトとして(現状はスポットライトで照らしている)の普及の方が先になるんじゃないのかなぁとも思わなくはありません。
他には誘導灯でしょうか。
(外灯の場合、結局の所、JIS規格や国交省の定めた基準が出来上がるまでは導入しないでしょうし、このようなお役所は超鈍足はお約束ですから)

とまぁ、汎用性が高いのか低いのか微妙な面はありますが、価格さえ下がり、機能が向上(おもに光束)すれば、爆発的に売れ出しそうです。
状況を見るに、10年はかかるでしょうが………



じゃぁ、その10年でLEDはどういう進化と位置づけになるか?
演色性の問題はここ二年で改善されてきました。
Ra70がデフォルトだったのに、擬似白色でRa80を超える製品がデフォルトになりつつあります。
擬似白色ではなくきちんとした三波長白色も出てきており(演色性の問題さえクリアできれば擬似でも問題ないと思います。プラント用の照明とか? とも思いましたが、これらの基準は人間用であって、植物や動物に対しては演色性や三波長という基準は当てはまらないですし)
製品としてはランプ交換という行動を必要としないわけですから、ランプ交換が必要になった場合のコストがべらぼぅに高い。プリウスのブレーキランプなんて数万円のオーダーですよ。

ランプなんて数百円だったのに……(LEDにしなきゃならないほど電力不足というわけじゃない)

地上デジタルテレビのような利権が絡んでそうで、なんかですね。


蛍光灯タイプの電球は効率に限界が来ていたのでLED化は良なんですがね。
あとは事業所用のツインパルックタイプ。

こういう、「非汎用品」として使用されている照明は、正直なことを申し上げれば、なくなってしまえ!!なんですわ。
直管は10W、20W、40W、80Wで十分です。しかも、日本の規格ではなく世界の規格に合わせたもの。(日本の規格は40W未満はサイズが合わない。蛍光管って実はもっと安いんですわ。それを日本独自規格で海外からの流通をシャットアウトしている為、日本価格と割高な価格で売られていると)

なので、当時業としては、蛍光管タイプは、10W,20W,40Wの直管タイプ以外の灯具が使用されているところは、電球タイプへの交換が可能な場所は電球タイプのダウンライトンへ、出来なければLEDベースライトに変更し、在庫としては「直管蛍光灯」と「E26電球タイプ」以外の交換品を必要としない。という方向を目指して電灯設備の改修計画を進めています。


なぜなら、在庫として余らせても邪魔にしかならない。
在庫として余って困っている代表例は、蛍光灯以上にふるいプリンタの交換用インクジェットやトナーですけどね!!

話がそれました。

現実問題として、すでにメーカーのサイトを覗く限り、蛍光灯よりもLED押し一色で「蛍光灯を入れたいけど製品の選択性がすくねぇ!! リニューアルプレート(化粧板)が微妙すぎ!!」という、天井版入れ替えすると金がかかるからなぁという状況ですわ。
値段的にもLEDは安くなって効率も良くなっているので、コスト的にLEDを入れた方が安い状況がちらほら……orz
エネルギー効率はほぼタイ
表示スペック上はLEDの方が軍配が上がります。ただし、蛍光灯の場合は温度が安定すると電流値が少なくなるという特性があり、表示消費電力よりも一割から二割程度小さくなるので、実情は最新のLEDと効率的には変わりません。
トータルバランスで言うと蛍光灯を入れたいのに……来年度までは蛍光灯押しで行きたいのに……という状況です。

個人的に気になるのが水銀条例です。電池にしろ蛍光灯にしろ、その処理は野村興産(イトムカ)で行われているのですが、この水銀条例の関係で処理後の水銀の国外輸出ができなくなる。となると、野村興産としては水銀の処分に困るわけです。(中の人たちに聞いたのですが、やはりこの条例に対して相当困っているようです)
なので、処分が出来なければ補完するしかなく………蛍光管の廃棄手数料の単価が上がるかもしれません。

そこまで考えると、さっさとLEDにするというのも選択なんですよね。ただ、個人的にはメイン照明、LEDはスルーしてELに行きたい……


どうしたものでしょうねぇ………

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