2014年6月14日土曜日

2014年春段階のLED事情は?

前回の2013年春段階のLED事情は? から、もうすぐ一年がたとうとしております。


なので、そろそろレビューをしてもいいかな? と思い、筆を執ります。


LED照明推進協議会なるものが存在します。

やってることと言ってることといえば、具体的な評価を避けて問題をぼかしつつ(じゃないと、製品批判やステマにつながるからでしょう)、健全なLED照明の普及に努めることを目的としたサイトの模様。


そこから追って行って別サイトの「規定・ガイドライン等」の、電球形LED ランプ性能表示等のガイドライン(PDF)、を参照します。
前回が電球だったので今回も電球にしておきます。

表示については上記のとおり、ルール化されているようです。 まぁ、しばらく表示詐欺が横行しましたので、当然でしょう。とはいえ、これだとLEDはともかく、蛍光灯はアウトですね。


たとえばこれ
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B002QELNQ8/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B002QELNQ8&linkCode=as2&tag=masa3373-22




■ 仕 様 ■
光色:ナチュラル色(昼白色)
明るさ:60Wタイプ
形式:A15形
口金:E26
消費電力:10W
寸法:外径55×長さ110mm
質量:75g
全光束:780 lm
寿命:13000時間
蛍光灯電球で810lmあるのは、電球色タイプで、それ以外の色はほとんどそれ未満だったと記憶しています。
それとも、「ボール球」扱いになるとか、、、、いや、さすがにそれはないでしょう。

それ以外は目新しいものがなかったのでこれ以上の確認は行わないこととします。

とまぁ、評価の前に1Wのもたらす省エネ効果および経済効果について、事前に求めてみます。
LEDの器具寿命が4万時間ですので、まぁそれを信じて1Wあたりで、40kwの省エネ効果がある形となります。
値段を出せば、今はkwあたり24円くらいでしょうか。それをかけてやると960円。約千円近く節約できるわけです。
ただし、仮に年間4千時間運転したとしても、10年かかるわけですから、年間100円の節約と見た方がよいでしょう。
なぜこのようなことを出したか?というと、ちょっと前までは蛍光灯からLEDという買い替えがありました。しかし現在は、LEDからLEDへ、というケースも想定する必要が出てきただろうという思いからのものです。


それをもとに最新のデータを見てみたのですが、、、、う~ん、、、
LED電球 E-CORE[イーコア] 、一般電球形 9.1W・7.5W 光が広がるタイプ(一般電球60W形相当)
たとえばこれ。
性能的にはもっといいレベルのものもあるのですが、費用対効果を考えるとこの辺かなと。
ネット価格で1200円程度.
アマゾンだと1500円。
東芝 LED電球 一般電球形 7.5W(昼白色相当)TOSHIBA E-CORE(イー・コア) LDA8N-G/60W
おそらくですが、量販店だと2500円くらいで売られていることと思われます。


前からおすすめしている蛍光灯電球が、今だと780円程度。量販店でも1200円くらいで売っているのは確認しています。


こいつを例にすると、蛍光灯電球は10Wです。上の例が7.5Wですので、その差は2.5W。
年250円の差が出てきます。
価格差があるので、それを加味すると、費用対効果の交差点は3年が分岐点となります。

さて、ところで蛍光灯は点灯後安定すると消費電力が下がります。実はこの蛍光灯電球も同じで、5分後には8Wまで落ちるのはワットメーターで確認しています。
(このあたりの写真は過去にアップしたかな?)
なので、実際の差は0.5Wとなり年50円の差しかなくなります。この場合、費用対効果の交差点は3年ではなく15年になってしまうわけです。
とはいえ、蛍光灯の方の寿命は1万三千時間なので、買い替えを考えると、LEDに軍配が上がってしまいます。
100円ショップの蛍光灯は、寿命がこれの半分で消費電力が13W~15W製品です。

結果として、現状の見た目の費用対効果で見れば、LED電球に軍配が上がってしまっている状況です。


結論を申し上げます。
・年間それなりに点灯時間が長く、ネットで最安値を探してまで購入するなら間違いなくLED電球の方に軍配が上がる。(上記理由より)
・年間それなりに点灯時間が長く、ネットで最安値を探さず、そのあたりの量販店で購入するなら、消費電力に差はほぼないので、LED電球の値段の半分程度であり、10W位の消費電力の蛍光灯電球があれば、そっちを選ぶ。(上記のススメている蛍光灯電球、量販店じゃ値段が下がってないんで。安いのは15W前後のタイプばかり)
・年間の点灯時間はそこそこしかなく、最安値を探してまでやるなら、どっちが良いとは断言できないが、あえていうなら蛍光灯を進める。
理由は4万時間の寿命を迎える前に、一般的な電気機器の寿命である10年を迎えるだろうから。
・年間の点灯時間がほとんどないのであれば、100円ショップの蛍光灯電球で十分間に合う。10年間で年千時間運転するかを基準にし、10年でちょうど寿命を迎えるような電球を選ぶことを進める。
・配光データの見方がわからない人は、下手にLED電球選ぶと失敗するので、蛍光灯電球にしておく。


以下感想

従来問題になっていた、全光束の件について、市場では表記の問題として取り上げられたこともあり、現状はクリアされている。
そのため、見た目が明るく見えるが、実際は明るくはない、それはグレアである。という以前あった感想はきちんと対応された製品が市場に投入されている。

ただし、市場では局所配光の需要もあれば、ダウンライトのような照明への対応要求もあるため、配光角度の違いのある商品が市場に混在している状況。
均一性の問題による人の感覚は、平面だけでなく、立面にも当てはまるため、上方への配光も考慮する必要がある。
個人的な主観ではあるが、光は「降り注ぐ」と表現される通り、下が明るく上が暗いでは、暗く感じてしまう。上下の明るさが均一がこのましいが、あえてどちらかが明るい、暗いというのであれば、上が明るく下が暗い方が、部屋が明るく感じる。

演色性の問題については、LEDと蛍光灯の間に差はなくなっており、だいたいRa80~85の間で推移している。(ものによってはLEDの方がよい数値をたたき出しているものもあり)

青色成分がブルーライトハザードを引き起こす問題を指摘されていた件については、ダウンライトといった一部の製品を直視し続けるようなことがなければ問題はない。
なので、この問題について考えるべき対象は照明ではなく、LEDテレビやモニタなどである。
(BHの問題があげられた条件は、ダウンライト、つまり点光源で500lxという環境である。LEDバックライト製品は、面発光なので仮に光源として500lx以上あったとしても、同じ評価はできない)

ノイズの問題は、すでに規制対象となっており、現在流通している製品については考えなくてもよい模様。

電球においてはちょうど転換点の後半部分という印象。


若干のずれはありましたが、当初は「3年待て」「5年待て」という評価で、現在がその時想定していた三年後の時期でありましょう。その三年間で当時あげていた問題点の多くは解決されたことは喜ばしいとも言えます。
想定外の点としては、蛍光灯が思った以上に値崩れしなかった点です。

上記のパルックボールなんかは在庫整理品になってて、300円~500円程度になっていたと思っていました。
市場に流れ込んでいる旧問題品のLED電球が、安価で流れているため、逆に蛍光灯電球の需要が高まったのかな? と考察します。


2 件のコメント:

  1. なるほど、勉強になりました
    上記ガイドラインに基づけは我が家ではすべてが蛍光灯がベターのようです。

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    1. おばQ様、まいどです。
      個人的には、トイレなどの短い時間の場所は白熱球をお勧めしますw

      LEDが蛍光灯の蛍光管のように、封入に対してそれなりに技術を持ってなければ生産できないという環境下にあれば、このような経緯を持つことは無かったでしょう。
      しかしLEDは信号用として広く普及していた背景もあり、LED素子が独立して販売していた関係で技術力が無くてもLED照明を作ることが出来たのが蛍光灯と違うところです。
      その結果、技術力も設計能力も無い弱小企業がLED照明を作って参入してきて、グダグダになったと。。。これが不幸の始まりだと思っています。

      この件に関して行政側の対応も遅過ぎで、未だにLEDの規格が定まらない状況です。こういう時こそ、トップダウンの判断が求められるんでしょうに、、、なにやってんのか。

      ですので、触らぬLEDに祟りなしと言いましょうか。ご判断結果のとおり、しばらくは蛍光灯が無難ですね。

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