2013年9月13日金曜日

アイドリングストップは環境にやさしいのか?

IS車・従来車に両対応、GSユアサの新バッテリーはエポックメイキングなのか
記事元:IS車・従来車に両対応、GSユアサの新バッテリーはエポックメイキングなのか

画像の表を見ていただければわかりますが、グラフでは年々従来型バッテリー(スターター)の市場が減少しているというものです。

アイドリングストップ(以下「IS」)対応の車の場合、それ専用のバッテリーを必要とするため、従来型のバッテリーを使用した場合及びIS非対応車にIS対応バッテリーを使用した場合はトラブルがあるとのこと。

トラブルが起こる原因は、それぞれのバッテリーの給電方法が違うことによるようです。

IS車・従来車に両対応、GSユアサの新バッテリーはエポックメイキングなのか

GSユアサはその問題を解決するべく、『エコR ロングライフ』というバッテリーを販売している。という内容です。


IS車・従来車に両対応、GSユアサの新バッテリーはエポックメイキングなのか

この記事の中で気になる部分があるとすると

従来車に搭載すると、寿命性能は36か月または10万kmを保証。IS車では、18か月または3万kmを保証する。
このようにありました。
従来品の寿命は三年(ソース
IS車専用バッテリーの寿命は18ヵ月または3万km(ソース
とありましたので、それぞれの専用品と比較して同等の寿命はあるようです。

こうして比較してみると、IS車はバッテリーの寿命が半分しかないんですねぇ。

次に値段を比較してみます。(IS:価格com 従来:価格com
(アイドリング用から一番安いものを選び、その性能と同タイプの従来型バッテリーを選択)
偶然にも上の両対応型がヒットしました。


倍の値段です。しかも寿命が半分ですから、実際は4倍でしょうか。
私のミライースの場合、ディーラーに交換バッテリーの値段を聞くと二万円と言われましたから、メーカー純正品の場合は3年乗る場合、従来型の8倍もするわけでする試算となります。

これらをまとめると、アイドリングストップ車というのは、バッテリーという廃棄物(液が希硫酸なので、特別産業廃棄物に該当)の発生量が従来の二倍になる。
このような状況下で本当にアイドリングストップ車は従来車と比較して「エコ」とか「環境配慮型」と言えるのでしょうか?
非常に疑問を持ちます。
自動車バッテリーは、高さの規格が決まっているため、機械でまとめて一括処理することができるため、利益を出すことができ、有価物として処理されます。
なので、厳密に言えば、自動車のバッテリーを廃棄物としてカウントするのは誤りかもしれません。
しかし、UPSなどのバッテリーは高さがまちまちなので、機械的に分解することができないため、同じ鉛蓄電池でも自動車以外のバッテリーは産業廃棄物として処理しなければならないのだそうです。

まぁ、交換サイクルが倍になりますし、値段も倍になるわけですから、自動車産業的にはうれしいでしょうし、日本の経済は自動車産業が占める割合が大きいため、経済という側面から見ればそう悪い話ではないのかもしれませんが。

とはいえ、消費税も8%に上がりますし、バッテリーのリサイクルにもやはりエネルギーを消費してしまいますので、環境にやさしいのか?

どの程度の差が出てくるのか?

記事:アイドリングストップの効果
ここでは8%という数値がありましたので、こちらを参考にします。


10万㌔を走る、リッター15kmのIS車、をベースに計算してみます。
アイドリングストップをオフにした場合、燃費が8%落ちると考えられますのでオフの場合は13.8Kmで計算します。
なお、ミライースは30km/L走るといわれていますが、夏場の街乗りで20km/L 冬場は15km/Lです。エコカーのトップクラスの車でこの程度ですので、この計算条件はわりかし好条件であることに留意してください。
この時消費されるガソリン量はISがオンの場合、6,666.7L。 オフの場合は7,246.4L。その差は約580L。
仮に一年1万㌔を走ったとして、10万㌔まで10年。バッテリーの交換は前者6回、後者が3回。
バッテリー三個分の生産から輸送リサイクルまでのLCA(ライフサイクルアセスメント)を考えると、1個あたり約200L弱で処理しなければならない計算です。
工場でベルトコンベアーでやるでしょうから、さすがに一個当たりのエネルギー量がガソリン200Lも消費するとは考えにくいです。


ガソリン価格をまぁ160円/Lとした場合の値段の差は、前者が約107万円、後者が約116万円。その差は9万円
交換費用は前者が6万で後者が1万5千。差額が4万5千。 ガソリン価格から差っ引いても4万5千ほどお財布にやさしい。


結論
計算する前までは(記事を書いているときは)環境にやさしくない、お財布にやさしくないと思っていました(ないという結論になると思ってました)が、計算してみるとびっくり結果です。
アイドリングストップは環境にやさしそうですし、ご家庭のお財布にも優しそうです。
交換回数も増えるので、バッテリー製造業者も生産量が最終的には二倍に、値段も倍ですから結構うれしいんじゃないでしょうか?
交換作業も発生しますから、ディーラーも工賃を得られるので、(タイヤ交換より楽ですからそんなに高くはないでしょうし)悪い話ではない。
損をするのは、石油会社だけ。

ちょっと意外な結果となりましたねぇ……

2 件のコメント:

  1. 鶏はいわゆる「環境にやさしくない」クルマに乗っているので知りませんでしたが、IS車ってのはバッテリーが違うんですね!初めて知りました。そーゆーのって交換の時期になって初めて「なにそれ!」ってことになるんでしょうね・・・

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    1. 実のところ、私も購入後3ヶ月でバッテリー上がりまで知りませんでした。
      とはいえ、この結果も一つの企業努力の成果(見せませんが)として受け止めましょう。

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