2014年3月9日日曜日

中国の環境対策に嘘はないのか?

記事A:唐山鋼鉄グループの劉文功・副総経理に聞く

この記事とならんんで

記事B:北京の大気汚染が深刻化…警報、過去最高レベル

このような記事がある。

後者はある意味、前者の活動の結果であると考えます。

その中で、前者について疑問点や嘘だと思う部分を挙げてみます。


1.鉄鉱石を原料用石炭で還元する高炉などから出てくる排ガスは100%、製鉄所内で再利用しています。
記事の続きを見ると、排熱のサーマルリサイクル(排熱発電)のことを挙げているのだと思います。
しかし、ご存知の方はご存知ですが、熱を取り出してもガスはガスとして残ります。
大気汚染を問題にしているので、排ガス中に含まれるNOxやSOxの処理がきちんとできているか?が問題の最重要ポイントであって、排熱云々は副次的な物ではないのでしょうか?
中国の場合、現状P.M2.5が深刻化していますから、回答は意図して避けているようにも読めます。

残ガスの大気排出を行っていないというのはそもそもありえないので、フィルタで吸着してクリーン化(無害化)して大気排出していると仮定した場合、今度はそのフィルタの処理をどうしているか?という点もあります。

こういってはなんですが、ある意味、排ガスってのは何もしない状態だと「低濃度汚染物質」です。ですが、フィルターにかけると、ガスは「汚染物質」にならなくなりますが、今度はフィルターが「汚染物質」となりますし、汚染物質を吸着させているわけですか「高濃度汚染物」になるわけです。
この「高濃度汚染物」を、焼却処理なんてしていた場合、今度は焼却場から高濃度汚染物が外部に飛散する形となります。
焼却場が排ガスのクリーン化を行っているとしても、そのために使用したフィルターは「超ド級高濃度汚染物質」なわけですので、固化し養生した後に埋め立てるなどしなければ、適正に処理しているとは言えませんし、そこまで確認して初めて「環境に配慮している」といえます。

つまるところ、前者はISO用語でいえば「直接影響」であり、後者は「間接影響」であるわけです。

この件に関しては、関節影響に関する部分までしっかり確認しなければ、直接影響で実施している活動は全くの無意味な行動という結果となってしまいます。
徒労というやつですね。

2.排ガスだけでなく排水も、外部には一切出さずに、内部で処理しています。
上記の排ガスの排水バージョンと同じことを繰り返しましょうか。
着目したのは「一切出さず」という点です。下記の部分も含めた形ではありますが、一度インプットした水は、蒸発などしない限りは何度も使い回しているということでしょう。
まぁ、この点については分からなくもありません。中国の場合、工場用用水は「不純物が多すぎてそのままでは使えない」というバカな話があります。
水道を引き込んで無害化処理するよりも、排水を無害化処理する方が安いのでしょう。なにしろ、含有物はほぼ決まっているわけですから、排水内の不純物の種類や組成はある意味変化しないわけですから。
でもまぁ、生活排水の処理のための浄化槽あたりは、なさそうなんだよなぁ(苦笑)

3.スラグ(くず)も、建材向けなどに有効活用しています。外部への排出はありません。

「韓国が放射性廃棄物をコンクリートに混ぜた」という話を思い出しました。
廃棄物を「混ぜる」という行為の場合、リスクがあります。
まず、建築物の劣化や解体時に、含有している汚染物質が大気に飛散するというものです。
排水及び排ガスの残留汚染物質も、同じように「混ぜて」使用している場合、このリスクを抱える形となります。
他にも、混ぜて大丈夫か? と言う問題もあります。
中国で、こんな混ぜ方すらしています。
記事:中国怖いッ! 老朽化した橋の断面を見たら「発泡スチロール」がぎっしりだったでござる
ようするに、コンクリートにしろアスファルトにしろ、それを混ぜた場合、セメント等とどのような反応をするのか?と言う評価が適正にやられているのかがポイントでしょう。
ただの不純物では、不純物の分布のムラによる応力の偏りが発生して、そこが代わりにひびや亀裂に繋がります。
そう言った懸念を元に、wikiの『スラグ』を参照すると、基本的には産業廃棄物で、現在も様々な分野で有効活用できないかどうかの検討がなされているようです。現在は、港湾やダム使用するセメントとしての用途で需要があるようです。
・・・・中国でダムや港湾での需要って、大した量じゃないんでは? 結局余って大量投棄になるような気もする。


以上を元に感想をまとめると、どこまでが本当のことかわからない。と言う感じですねー。つまり、環境対策がきちんとなされているという根拠があまり提示されていない以前に、話が逸れているという奴です。
なんていうか、「プリウスは環境に優しい」といって、プリウスの製造や廃棄時の環境負荷は従来の車と比べてどれだけの差があるのか? というのを度外視した主張?

また、インプット元及びアウトプット先についてまで環境保全に適した管理体が構築していないと、中間工場がどれだけ取り組んだとしても、リスクの分散化別のところに持っていくだけでしかないような気がします。
実際のところ、中国の環境政策は「大陸西部に工場を移せ」というものでしかなく、また発電についても今後の需要の伸びは現在の40%以上という話です。
根本的な解決を図ろうとしていない状況では、今後も悪化し続けると思うんですよねぇ……


う~ん、なんだかなぁ?

2 件のコメント:

  1. ご自慢の環境施設が一切、画像に上がっていない時点で(あっ・・・察し)というものでしょう。
    排ガス100%利用といっても、粉塵は言うに及ばず排熱も100%を回収なんて技術的に不可能な話です。常温近くまで低下した熱を回収するなんてムダが多すぎますからね。せいぜい、5割も回収できれば良い方で。
    こんないい加減な話をしている時点でヤル気が・・・おや?誰かきたかn

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    1. >一切、画像に上がっていない
      言われてみれば!!
      環境責任追及制度を導入しましたが、これじゃぁ、自浄能力が働かないので彼らはもう、腐海に呑まれて、滅ぶしかないんでしょうね・・・。
      記事:中国、環境汚染で「責任追及制度」導入へ=全人代常務委報告

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