2014年3月23日日曜日

無電極ランプの性能???

葉山「柾さん、照明の省エネ製品の営業をしたいっていう人が来ているんですけど」

柾「わた・・・し・・・になるんでしょうか?」

葉山「相田さんが主担当でしたっけ? でもいいんですか? メリット及びデメリットをきちんと精査することができるのであればよいのですが……」

柾「ああ、あの人、社内に展開するとき、都合のいいところしか言わず、都合の悪い部分は隠す癖があるからなぁ」

葉山「前のトラブルも、営業の人が持ってきたサービスがきっかけでしょ? また柾さんが尻拭いすることになるんじゃないですか?」

柾「せめて、きちんと製品評価して、それを技術文書として起こす能力があればまた違うんだろうけどなぁ。私が受けたら受けたで、文句を言ってくるやつなんだけど、、、仕方がないか」

葉山「ご苦労様です」



小山「営業の小山といいます。省エネ担当の方でよろしいでしょうか?」

柾「技官の柾です。省エネ担当というのは、エネルギー管理員ことをさしているなら私で結構です。EMSの環責や事務局のことをさしているのであれば、担当は別ですから変わりましょうか?」

私は、案にどちらと話したいか? という意味で問いかける。

小山「別なんですか? いつもはEMS担当の方にお話しさせていただいているので、可能ならそちらで、、、、あ、ちなみに設備の導入を検討されるのはどちらでしょうか?」

柾「今のEMS事務局は提案までで、実行面はほとんど。設備改修やら補修やらは、旧来から私が実行面を担当させていただいておりますが」

小山「では、できれば柾さまに………」

柾「わかりました(ちっ、逃げられなかったか)」



小山「御社では、照明について、どのような省エネ製品を導入されているのでしょうか?」

柾「(主導権を握られるのは面白くないからなぁ。はしごを外して、主導権を握るか……)……営業に来られたと聞いていたのですが、いきなりアンケートですか?」

小山「えっ? ……ああ、いえいえ。もちろん営業ですよ。 提案させていただきたいと思っているのが、エコ照明ですので、御社が今までどのような物を導入されていたか次第で、提案できる内容もかわってくるかなと」

柾「ほう、つまり複数の製品の営業に来たと」

小山「……いえ、次の機会に提案できればと思いまして」

柾「う~ん、過去にそういう人って何人もいたんですけど、こちら提示した要求スペックに答える製品を持ってきた人っていなかったんですよ」

小山「要求スペックですか?」

柾「ええ、そうです。ああ、こちらの要求に対して譲歩を促して来たりする人もいましたね。『駄目でしょうか?』と」

小山「はぁ、なるほど。それで、どのように答えたので」

柾「要求スペック未満の製品で『良い』と思った理由を説明してくれと言いましたね。要求事項にはきちんと目的と意味がありますから。その目的と意味を満たさないのであれば、オーバースペックだろうとダメなものは駄目でしょう?」

小山「そのとおりですよね」

柾「スペックを落とした場合、一番最初に問題になるのが『元々それだけの性能を要求していなかった。過剰スペックだった。なぜそんな設計をしたのか?』と、なりますよね。当然そこは監査で指摘されるわけです。設計会社に頼んでいた場合、今後はその設計会社との取引を止めなければならなくなります。なので、安易に『スペックを変える』というわけにはいかないんですよ」

おわかりですか?と尋ねる。

小山「いや、仰る通りかと」

柾「なので、代替品や改修品をもってこられるのであれば、そこの所はきちんとしてほしいわけですよ」

小山「わかりました。それなら、今回提案させていたく製品は満足していただけると」

柾「ほう」

小山「御社ではLED製品を導入は?」

柾「・・・・(いや、だからアンケートしたいの?かって最初に言ったんだけど)してる、していないと答えて、紹介する製品変わります?」

小山「今回は変わりませんね」

柾「じゃぁ、話を勧めません? アポなしの飛び込み営業でこられて、こちらにも時間の都合ってものがあるんですよ。途中で話し終わっていい?」

小山「そ、それはもうしわけありません。・・・・今回、新しい照明の外灯を提案しようかと」

柾「LED外灯なら導入しないよ」

小山「いえいえ、LED外灯ではなくてですね。蛍光灯タイプの外灯なんですよ」

柾「蛍光灯? ああ、あの32W直管タイプのやつ? あれってスペック不足だしうちの高所には向かないんじゃ?」

小山「いえいえ、水銀灯の代替品として提案させていただくタイプです」

柾「(・・・蛍光灯で水銀灯の代替……そういや200Wが昔あったなぁ。熱の問題ですぐさま壊れるのが目に見えてたんだけども)」

小山「(カタログ※1を取り出し)こちらになります」

※1:リンク先は例です。

(パラパラ)←カタログをめくる音

柾「へー。無極性かぁ。懐かしいなぁ。冷陰極管タイプかと思ったけど」

小山「冷陰極管タイプよりこちらの方がはるかに寿命が長いですから」

柾「そうですよねぇ。無極性は長寿命でLEDに引けを取らないのが特徴でしたよねえ」

(パラパラ)←カタログをめくる音

小山「ご存知でしたか?」

柾「ええ」

小山「LED、LEDって言われてますけど、やっぱり照明は蛍光灯でしょう」

(パラパラ)←カタログをめくる音

柾「(それでLEDの導入状況を確認したかったのか)そこまで断言できないかな。シーン次第でしょう。小電力や小型機器は蛍光灯は苦手ですし。蛍光灯が得意な分野は消費電力がそこそこ、、、まぁ32W以上でしょうね」

小山「外灯に使用する照明は、それ以上ですしね」

柾「ええ、まぁ外灯の場合、蛍光灯の基準を超えた光束要求があるので、150Wを超える規模になれば、メタルハライドランプの方が効率がよくなりますよね」

(パラパラ)←カタログをめくる音

小山「そうですかね」

柾「ええ。元々の比較が高圧ナトリウム灯で、こっちのエネルギー効率が150lm/W以上。ただ、オレンジっぽいのが嫌だってことで、白色に近い代替品のメタハラと。こちらが130lm/W。LEDも蛍光灯も、まだここには届かないですよね」

小山「どうでしょう? 御社の外灯に設置していただければ、きっと満足していただける結果と……」

柾「ああ、うち、メタハラ入れてるのね」

小山「メタルはライドよりも省エネですよ」

柾「無極性そのものの考え方は嫌いじゃないんだけどね」

小山「……お気に召しませんか?」

柾「ん~~、なんていうか、まずカタログにある『設計光束値』と全光束。例えば水銀灯400Wの場合、確かに光束は22000lmなきゃダメなんだけど、なぜ数値が違うの?」

小山「それはですね。設計光束値の方は、照度設計していただくときに使用していただく値なんですよ」

柾「普通じゃないやりかたですね。本来の設計では、全光束で保守率と器具損失をかけてやりますよね? 何故全光束を使わないので?」

小山「全光束がこちらでも、実測としてほぼ同等以上の照度になるんですよ」

柾「それがよくわからない理屈ですねぇ。つまり、器具光束とどう違うんで?」

小山「…あ、、いえ、そう思っていただいて構いません」

柾「器具の形状が違っても、全光束の値が同じってのも、なんだかねぇ。ランプ単体の全光束じゃないの?」

小山「ああ、そうかもしれません。すいません、確認して後でご連絡いたします」

柾「配光をみると、LEDじゃないのにLED並みのスポットかよ!? っていうくらい、偏光特性をみせてるよね。これは知らなかったなぁ」

小山「そうでしょうか?」

柾「うん。ランプ単体が水銀灯と同じ配光特性を見せているなら、資料の照度実測特性は同じ傾向を見せないといけないけど、製品の配光特性であるスポット系の特性をみせてるのがよくわかるよ?」

小山「仰る通りで。ですが、明らかに従来品よりも明るくなっていますから、光束の問題はクリアされていると判断していただいても」

柾「LED外灯にも言える問題だけど、均一性が著しいよ。これじゃ、部分的に明るいけど全体的には暗いっていう状況じゃないの?」

小山「いえ、そんなことは」

柾「光束量が小さい理由って、もしかして国土交通省かどっかが出してる外灯の要求基準をクリアするするように配光をコントロールした結果じゃないの?」

小山「……わたくしからは何とも。そんなことはないはずですが……」

柾「LEDでもその条件下なら、水銀灯400W相当で120Wくらいの製品はぞろぞろしてるけど」

小山「こちらは100Wです」

柾「カッコ書きで120Wになってますやんw 同じ条件ならLEDかなぁ」

小山「いえいえ、こちらの方が長寿命ですよ?」

柾「紫外線出さない分、虫が寄ってきにくいから。蛍光灯は無極性でもLEDほどの防虫性はさすがにないでしょう」

小山「防虫性、必要でしょうか?」

柾「必要じゃないっていう理由はなに?って聞きたいけどね。まぁいいや、答えると、虫が寄ってくるってことは汚れを運んでくるってこと。やつら、隙間からどうしても中に入ってきて器具内を汚すよね」

小山「……たしかに、否定はできませんが、それほど気にする部分じゃ」

柾「汚れると、光束の低下の原因になりますよ?」

小山「……そこは、定期的な清掃を」

柾「いや~、長寿命はメンテナンスフリーとセットでしょう。清掃するならそれに合わせてランプを交換するものでは? まぁ逆のタイミングでもいいんですけどね」

小山「おっしゃられることは、、わかりますが」

柾「メタハラに比べれば、100W近い省エネ性能をみせているのはわかりますよ。LEDもですけど。だけど、直下が明るいのはよろしくない。広く広がってくれなきゃ、逆にコントラストが強くなって、危ない」

小山「コントラスト、、、ですか? あまり聞いませんが」

柾「割と聞くよ? まぁ、LED外灯を持ってくる人にとっては、聞きたくない話だから?」

小山「そんなことは、ありませんよ。それに、配光の方ですが、問題にされているのは室内天井のタイプでしょう。だからそう見えるわけでして」

柾「・・・水銀灯と配光パターンが違う理由は?」

小山「……それは、、、ランプではなく、器具の違いからくるものだと。今製品は内部に高効率反射板タイプを使用しているので」

柾「本当かなぁ? それだけでここまで変化が現れる物でもないと思うけど」

小山「いえいえ、現れるんですって」

柾「単純に、全体的に照度の底上げが行われるだけだと思うよ。むしろ、笠タイプの形状が違って、よりスポットになるタイプって言って貰った方が納得できるかな」

小山「ああ、そうかもしれません」

柾「・・・・・・・・まぁ、いいや。こちらが確認したい点は理解してもらえたと思います」

小山「え、今の私の説明では」

柾「半分くらいは、私がフォローしたり言い分を与えた気がしますが」

小山「え、ああ。とても製品についてご理解があって、助かります」

柾「そういう事にしておくとしても、結局の所根拠がないんでね。その言い分をこのまま通すのであれば、データを要求するよ? それでもいいの?」

小山「データ、ですか。それはいったいどのような物を提示すれば」

柾「や、ちょっとまって。それを私に聞く?」

小山「できれば、、、わたくしどもも、お客様に納得していただけるデータを準備したいと考えますので」

柾「LEDとどっちがいいっていう決着ついてないし。まぁ、まず水銀灯と無電極の配光パターンを比較した物。ああ、器具に取り付けた状態ではなく、ランプ単体のやつね。あとは、実際に外灯を取り付けた場所の取り付け前の直下及び周辺の配光特性、、、つまり、この照度比較の画像の外灯バージョンが欲しい」

小山「わかりました。帰って確認いたします」

柾「うん、それだけ出してもらって、問題なければ、LEDと違ってコントラストの問題はないって認めるよ」



葉山「柾さん、おわりました?」

柾「終わった。疲れた」

葉山「それで、どうだったんですか?」

柾「たぶん、他の業者と同じで、改めてくることはないだろうね」

葉山「そうなんですか?」

柾「うん。相手が持ってきたデータなんだけど、かなり変なデータの持って着方をしてたから、そこをつついてみた」

葉山「それって、普通にあるんですか?」

柾「LED製品をもってきていた営業でも、ああいうデータの出し方はしていなかったよ。悪いけど、あの製品を導入して『明るくなった』というひとは、LEDと同じく『眩しい』を『明るい』と勘違いしているんだろうね」

葉山「あれ、蛍光灯ですよね?」

柾「今回の場合、光源は関係ないんだよね。『眩しい』か『明るい』かは、製品の『配光』を見ないと評価できない項目で、そこにLEDだろうが白熱球だろうが蛍光灯だろうが、関係ないんだよ」

葉山「よくわかりましたね。でも、LEDと違いはないなら、導入を検討してみてもいいのでは?」

柾「今の場合、水銀灯の代替なら、メタルハライドランプだよ。LEDでもなく蛍光灯でもなく」

葉山「そうなんですか? でもメタルハライドランプって、ランプの単価が二万円近いから、正直もっと安い方が良いと思うんですけど」

柾「水銀灯の場合、ランニングコストとランプの交換頻度と比較すると、経費的にはどっちもどっこいどっこいなんだよね。ならまぁ、省エネ法の要求もあることだし、メタハラがいいかという考えなんだ」

葉山「LEDや蛍光灯は駄目なので?」

柾「40W型の直管ランプタイプならまぁ、考えなくはないかなぁ。たしか、寿命3万時間のランプがそこそこの値段で出てたし」

葉山「ふつうの寿命は?」

柾「その半分くらいかな。ランプの単価も従来と比べてそれほど高くないし、交換工数を考えればランプの単価が三倍くらいなら全然余裕だろうしね」

葉山「LEDの場合、寿命は無いのでは?」

柾「事実上は寿命が無いはずだけど、劣化はするし、トラブルが発生した場合、結局『電気工事』を必要とする作業になるから、わりとリスクが高い。工場内の高天井照明なら、メタハラよりもLEDを選ぶかもしれないけど、屋外灯の場合はちょっとね」

葉山「なぜ?」

柾「さっきの製品も同様の理由だけど、外灯クラスになるとランプの輝度が高い。そうなると、目に残光が焼付くから、交通安全上はどうにも好きじゃないんだよね。あれを入れるくらいなら、高圧ナトリウム灯っていう、オレンジ色の外灯があるじゃない? あれを入れるよ」

葉山「はぁ、いろいろあるんですね」

柾「いろいろ考えないと、リスクを抱えることになるし、クレーム対応も必要になる。『省エネ』だからといって、簡単に変えることは出来ないんだよね」

葉山「でも、経済性を考えれば、先程の蛍光灯とか、悪くない選択なのでは?」

柾「それだけで済むなら楽なんだけど。まぁ、ぶっちゃけ『エネ管だけしかやらない』ならそれでもいいんだけどね。だけど、エアコンを更新するにしろ照明を更新するにしろ、『衛生管理者は作業環境の評価』をしなきゃいけないし、環境管理責任者は周囲への影響を評価』しなきゃいけない。でも、そういった人たちって、全く持って『やらないし相談しても役に立たない』というケースが多いから」

葉山「『責任者』なんて人達は、名ばかりですから、それは仕方がないのでは」

柾「結局、省エネ製品に更新した後、そういった部分の対応をしてくれないし、してくれたとしても最終的に『エネルギー管理員』が対応しなきゃいけなくなる。会社によっちゃ『環境事務局』がやらされる羽目になるかもしれないけど」

葉山「相田さん、やるんですか?」

柾「エネ管が実施したなら、『エネ管に責任がある』という思考の持ち主だから。でもそういう人、多いよ」

葉山「………覚えがありますね。でも、責任者に責任を自覚してもらう必要はあるんじゃないんですか?」

柾「設備を入れる前に、それぞれの評価を、各責任者に『確認してもらう』という手順を踏んでもいいんだよ?」

葉山「やらないんですか?」

柾「やらないっていうか『やっても意味がない』っていうか……」

葉山「??」

柾「ようするに、『責任者が評価できるだけの力量を保持していない』ってわけなんだよね」

葉山「・・・・??? 責任者がOK出すか出さないかだけじゃないの?」

柾「『問題ないんだよね?』なんてこっちに確認してくることが目に見えている。それじゃ、いちいち確認を取る意味がないし、責任者の了解を得ても、結局何かあればこっちに責任を押し付けてくる」

葉山「なるほどね。それじゃ、最初から責任を持ってやっても通しても同じことだってことですね」

柾「うん、そう。そもそも、人事の連中が責任者を定めるときに、責任者として評価するだけの『力量を保持していること』を『基準に定めていない』ことが根本的な問題としてあるんだけどね。組織運用上、コンプライアンス云々を言う以上は『不適合』として処置をすべき項目ではあるんだけど、、」

葉山「あまり、そういうの聞きませんね」

柾「そう。結局、そういう正論を振りかざしても、『不適合』として処置をしても、実行面で根本的に解決できなければ、意味がない

葉山「解決できないなら、どんな処置しても、時間無駄ですね」

柾「手段に傾倒する人は、『不適合として根本的対策をしなければならない』と息巻くけどね。『解決できる』というのは、ある種の『理想』なんだと思うよ。構造上、『解決できない』問題もある。それに、『理想の体現』が会社にとって『最善の状態』であるともいえないからね。人種的な問題や、会社と社員との契約上の問題なんかもあるし。コンプライアンスの順守やISOの要求事項ってのは、さまざまな『しがらみ』や『能力』及び『力量』を『常に満たした状態』であることを前提にしている面もあるから、要求事項を満たすこと、コンプライアンスの完全順守を達成するってのは『事実上不可能』に近い。そういうのをきちんと理解してる連中が環境にしろ品質にしろ事務局やってれば、最終的に現場との調整が大事だとわかるもんだんだけど、理解していないと、相田みたいに『現場に一方的に要求して、結果だけ求める』と言う形になって、現場との溝が深まってしまうとみてるよ」

葉山「柾さん、相田さんに対してはかなり辛辣ですね」

柾「ISO自体、それを理解しているからこその「PDCAサイクル」なんだけど、あいつの場合、一向にその辺が『改善されていない』状態がすでに三年。周りに『PDCA』を求める本人が『PDCA』が回ってない。それに気づいてもいない。一緒に仕事を続けてたら、誰でも辛辣になるよ。最近じゃ、俺以外もいろいろ言う人、増えてるでしょ?」

葉山「ああ、そういえば、いろいろ聞くようになりますね」

柾「LEDもそうだけど、こういうメーカーに対して色々疑問点をぶつけていけば、相手はそこを改善してってくる。少しづつ品質が良くなってきてるんだよね。無極性のランプも全く進化していないわけじゃない。今回持ってこられた製品の寿命は、私の知っている物よりも長くなっていたしね。効率は微妙だけど。でも、停滞し続ければLEDにおいて行かれる。つまり停滞してしまうと、他のものに取り残される。これはなにも製品だけじゃなく人も同じだよ」

葉山「相田さんは、停滞していると?」

柾「まあね。人も製品も、昔が悪かったからと言って、『今の評価』を行わない理由にはならない。この辺は、『定期的にレビュー』することが好ましいのだろうね」

葉山「ISOの要求事項にも、似たようなのありましたね」

柾「うん。だから、相田には環境事務局にいるのであれば、省エネにしろ、こういう製品評価にしろ、少なくとも『私が環境事務局にいたころにやっていた事』は、最低限出来なきゃダメなんだよ」

葉山「省エネ、担当じゃないからっていうのは、言い訳って思ってるってことですか?」

柾「そう。ISOってのは「経営ツール」だしね。『一つの視点』だけでは、どうやっても「マネジメントシステム」なんて運用できる物じゃないよ。このあたりは品質にしろ、情報にしろ、セキュリティにしろ安全にしろ、『全体を見渡すだけの器量』がないとね。まぁ、この辺が『責任者』としての要求されている力量なんだろう。本来であれば責任者がきちんとそれを持ってて、事務局に指示を出せればいいんだけど、『事務局』なんて存在が必要な会社ってのは、『責任者が責任を行使するだけの力量を備えておらず、名ばかりなケース』が目につくしね。そうなると、『事務局に期待するしかない』のが実情だと思ってるよ」

葉山「なるほど、だから柾さんは『作業環境』も『周囲への影響』も評価しているわけですね」

柾「不本意だけど、現状では私が『それらの評価をするのが会社としての最善』なんだよ」

葉山「……ごくろうさまです」

2 件のコメント:

  1. イギリスに「幸せは玄関のベルを鳴らしたりはしないものだ」という諺があったと思います。
    本当に必要なもの、確かな価値のあるものは向こうから営業に来たりしないものなの鴨。 昔から、こういう照明系の営業さんはシツコイのが多くて困ります。

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    1. まいどです。
      同意ですね。彼らはしつこくて困ります。

      営業さんは、取引があれば、その評価が不評であっても「好評をいただいております」と嘘を吐きますから、データを提示されない口頭での営業トークは一切信じないことにしておりますわ。

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