柾「山下? 久しぶり! 構わないけど、そっちの噂はよく聞くぞ。かなり大変みたいだな、環境管理業務の請負って」
「ああ、大変だ。何が大変だというと、判断する職員が働かないのが大変だ」
柾「そっちの仕様書の作業要求項目見たけど、なんだありゃ? [○○に関する事]とか、かなり漠然過ぎて、あれじゃ具体的に何をやるかさっぱりだぞ」
「あれは、作業支持者が都度具体的に指示を出すことを前提としているんだ。だけど実際は「いいようにやれ、問題ないようにやれ」で、具体的な指示なんか出たことはない」
柾「いやぁ、よく入札できるもんだと思ったわ。入札説明会で説明できないだろ、あれじゃ」
「説明しないから問題ないみたいだ」
柾「説明しない? どういうこと?」
「入札にほかの業者が来ないんだよ」
柾「一社入札ってか? それはそれで、会計監査員に指摘されるんじゃないのか? 入札ってのは競争できるようにしなければならない以上、一社しか来ない時点で指摘の対象だろう?」
「ああ、そういう場合はうちの関連会社に形だけ説明会に来てもらったり、うちより高額で入札してもらったりする。場合によっては知り合いの会社に頼むこともあるな」
柾「うわ、それって結局談合じゃねーのか? 悪い方の」
「仕方がないんだよ。この仕事やってみて分かったが、仕様書に書かれた作業内容を仕様書を発議した側が全く理解していないんだ。実際、仕様書も発議側が作っているわけじゃないみたいだし」
柾「真っ黒だな。でも相手が理解していないなら、どうやって成果の是非を評価してるんだ?」
「作業項目で具体的に何をどうやったか、どうやるかという説明をこちらからする。それで相手に納得してもらうんだ」
柾「………は?」
「いや、マジで」
柾「彼ら、公務員だろ? そんなレベルなら、その人たちの存在価値って何?」
「ハンコを押すだけ、、、かな?」
柾「一昔前に、朝、建屋のカギを開けるのが主な業務の高給取りが問題になってたが、それといっそじゃないか?」
「連中、自分たちの業務の内容を理解していないから、自分の仕事を業者に押し付けるしかないんだ」
柾「で、結果としてネットサーフィンして時間をつぶすと。なるほど、稀にその手の話題がニュースになるのはそういう理由か」
「この間は、相当のデータをダウンロードして話題になったのも、その手の背景があるのかもな」
記事:アダルトサイトで大量に…役場のPCウイルス感染も(7/31)
柾「暇なのが問題なんだろうが、だったらさっさとその席をつぶせと思う」
「公務員は貴族様だからな。実際に仕事をしている公務員だけ席を残して、請負化と化したところの部署はどんどん潰していったら、おそらくだけど公務員は1/4くらいは楽に減らせるだろう」
柾「国家公務員(約63万9千人)と地方公務員(約276万9千人)がいるけど、前者は仕事をしていると聞くな。なら後者が一気に減るとなると、、、」
「大体70万人の失業者が出る計算だな。実際、再雇用として意味のない雇用も減らせば、100万人近くはいくんじゃね?」
柾「地方公務員の平均取得が720万だから7.2兆円の削減になるな。って、すげぇ数値」
Wiki:日本の独立行政法人
「独立行政法人の職員数も1/4減らせば、3.3万人近くの失業者が出る形になる」
柾「二千四百億円の削減になるな。それだけの金額が毎年浮くなら、その分別のことに使えるんじゃねーかな?」
「少なくとも、国債の買戻しをやらないとまずいだろうな。日銀に買わせている状況で買い戻す気配が全くない状況は、戦前の日本と同じ状況でもある。通貨の信頼と信用性を失いと、一気にハイパーインフレに行く可能性がある」
柾「ああ、日本は国債発行額は世界でも異常レベルだしな」
記事:「国の借金」政府債務残高の国別ランキングと推移【対GDP比】
財務省:債務残高の国際比較(対GDP比)
「韓国よりやべぇんじゃないか?って思えてくるよな」
柾「総資産が借金よりはるかに上回ってるし、そもそもIMFがつぶさないだろうな。日本がつぶれたら立ち回らなくなる国際機関も国も多いわけだし」
「そうなったら、世界恐慌が始まるわ」
柾「自給率の高い国以外は全部やばいだろうな。中国あたりは余力がありそうだから、侵略戦争はじめそうだけど」
「いや、中国は中国で環境汚染の問題があるから、戦争するだけの物資の確保が難しいだろう。特に良質の水の確保がどうにもならないわ。だから日本の水源を狙ってるっぽい」
柾「確かに、水の利用及び汎用性を考えたら、変な水は使えないしなぁ」
「って、話が盛大にそれたが、その水だよ水」
柾「ああ、悪い、電話の用件を聞いてなかったわw」
「いやな、客から『今日は暑いから、打ち水でもしたらいいんじゃないか? 電気も使わないし、エコだろ』なんて言われてな」
柾「水代かかりそうだなぁ」
「その通りでな『電気代より水道代の方が高くつきますが、それでもいいですか?』と答えたわけよ」
柾「だんだんわかってきたぞ」
「『だったら、雨水を利用したらいいんじゃないか』ってな。で、柾は過去に環境活動の一環として雨水利用の検討をしてたと思ってな」
柾「ああ、まだ坊やだったころにな」
*坊や:白熊さんとか、審査員閣下は絶対だと盲信していた頃。「まぁ、その坊やの結論ってやつを、教えてほしいんだけど」
柾「そちらでは調べてみなかったの?」
「散水するために電気を使うから、結局電気を使うなら最初からエアコンで十分ジャンっていう感じになってさ。柾ならなんか画期的なのをしっていないかな?と」
柾「知っていたらすでに導入していますよ」
「そりゃそうか。まぁその辺までは予測していたんだけど、それならそれで相手側に納得できる説明が必要なんだよ」
柾「さきほどの、電気を使うじゃダメなんで」
「電気を使わなくて済む方法を探せと言われたよ。屋上に水をためて、その位置エネルギーで散水すればいいだろうとか」
柾「ふむ。まず、雨水の再利用がよろしくない理由から説明しますね」
「おう」
柾「除湿した水の再利用も同じですが、雨水や除湿水には不純物が多く含まれます。飲料に向かないのはこの変ですね。下手に凝ってしまうと、水道法に引っかかりますし」
「フィルターとか浄化とかはだめなん?」
柾「除菌するために塩素を投入したり、pHを調整するために塩酸や苛性ソーダを使用する羽目になります。電気を使わなくて済むとしても、代わりに薬品を利用しなければならなくなるので、結局のところ、利用のためにコストが継続的に発生します」
「市販されている雨水利用のシステムって、いちいちそんなことをしているか?」
柾「そういうものは、使用方法が限定されています。トイレの水だったり洗車用の水だったり」
「散水用もあるよな」
柾「ありますが、結局ポンプを動かすので意味がありません。屋上からの落下圧によるというアイデアですが、二点問題があります。一つは水が集まらないという問題。もう一つが、雨漏りの問題です」
「両方ともわからんのだが、なんで溜まらないんだ?」
「雨水が集まらない理由から説明しますと、地上に設置した場合、雨水講から雨水の横取りという形が一般的です。この雨水講ってのが屋根全体で受けた雨水をある程度収集しているからそれなりにたまります。天井設置の場合、その横取りも雨水の収集もできないため、タンクがじかに受けたもの程度しか集めることができません。それでは雨水の絶対量が足らないでしょう」
「雨水管の途中に設置するのは?」
柾「配管がタンクの重さに耐えられませんよ」
「雨漏りの方は?」
柾「重い物を屋根に乗せるわけですから、ストレスによる屋根の変形、接続部からの雨水の侵入なんかもあります。この辺は太陽光パネルも一緒ですね。屋上の筐体部分のボルトアンカーを設置すると、コンクリートに見えない亀裂が入ってそこから雨水が侵入して劣化の原因になります」
「え、壁に取り付けちゃダメなの?」
柾「だめです。細かい水が入り込むと、鉄筋部の錆の原因になります。錆が発生するということは内部で膨張して内圧が高くなりますんで、耐震性能の低下にも繋がります。10年、20年といった長い間建物を利用し続けるつもりなら、やめておいた方がいいでしょう」
「そういう理由があるのか」
柾「そもそも後付で屋根に何かを乗せるという考え方自体を捨てたほうがいいですよ。当初の耐震設計やら何やらは、そういうのがないことを前提していますからね。何かつけるとなると、その重さ分のストレスがかかりますし、風などの応力計算も必要になります。ですが実際にそのような計算はせずに、みなさん簡単に考えているでしょう?」
「やれと言われてもできないわなぁ」
柾「雨水の横取りするにしても、専用の高架台を作成してそこから引き込む形にした方がいいだろう。金はかかりますが」
「スペース的にもレイアウト的にも厳しい」
柾「冬場の凍結も考えなきゃいけません」
「凍結防止で冬場は空にしときゃいいだろう」
柾「そういった作業をするのであれば止めませんが、、、あとは、仮に雨水を散水した場合の衛生的な問題です」
「なに、蒸発するから雑菌は死ぬんじゃないの?」
柾「加熱されて80°近く温度の上がったアスファルトに散水するなら良いけど、そうじゃない場合、蒸発するのと一緒で雨水タンク内で繁殖した雑菌が周囲に飛散するぞ? 結局、塩素殺菌は必要なんだよ。それに、トイレに利用つっても、下水に流すならともかく、浄化槽を使用している場合、浄化槽内の菌に悪影響を与えてしまうから、雨水をトイレの水に利用するのも考え物だぞ」
「衛生面がネックか」
柾「まだある」
「まだあるんか!?」
柾「気化した空気の排気の問題だな。風が吹いていれば気にする必要はないけど、そうでない場合、結局周りの湿度を上げるだけで余計熱くなる。夜に温度が下がってしまった場合、相対的に湿度も上げるし、結露した場合、今度は熱を放出する。熱帯夜を体験したくなければ、散水と送風はセットで考えた方がいいぞ」
「そういうの、まとめた資料とかないわけ?」
柾「客先に雨水利用を取りやめる理由に使用できるような資料はない。頑張って自分で作ってくれ」
「うへー」
柾「大変だな。『俺の考えたすごいエコ活動』と妄想しているやつを説得するってのはw」
「笑い事じゃねー!」
柾「車の燃費改善アイテムもそうだけど、真にエコになるものってのは商業ベースで一般的に周知されているアイテムだけだよ。車なんかは本当に燃費改善になるなら、最初からその機能がついているんで、後付けでできる燃費改善アイテムってのは、原則的に存在しないもんだ」
「餅は餅屋か、、、」
柾「芸は道によって賢しってやつだな」
>車なんかは本当に燃費改善になるなら、最初からその機能がついているんで、後付けでできる燃費改善アイテムってのは、原則的に存在しない
返信削除おっしゃるとおりですね
もっともそれは車に限らず、省エネだって節水だって、廃棄物削減だってみな同じですわ
おばQ様、毎度ありがとうございます。
返信削除>みな同じです
おっしゃる通りです。
「コスト」的に大きな差がない限りは、メーカーは標準装備させますわな。
コスト的に大きな差がある場合は選択できる形になりますから、後付け省エネ設備ってのは基本的にコストがかさむもんです。
安い省エネ活動てのは基本アリエネーとw
>『俺の考えたすごいエコ活動』と妄想しているやつを説得するってのは
返信削除日本の屋根を太陽光パネルで埋めろとか、ガリソンをプールで貯めろとか言う話ですね、わかります。
ありましたねー、某人によるそういう発言がw
削除某総理の原子力に詳しい発言もそうでしたが、公の場で恥じを晒してくれる分にはありがたいんですけどね。
四方から総突っ込みされておとなしくなってくれるんでw
鶏様
返信削除マリーアントワネットはパンを食べられないならケーキを食べなさいと言ったとか(史実は違うそうですが)
そんなマリー審査員が大杉で困ります。
>マリー審査員
削除いうなれば、小マリ審査(げふげふ