選挙前だと、どうにもいろいろおもしろいことが起こります。
経済についても、今の円安は選挙の影響が多いだろうなぁと思うのですが、また日銀がやらかしました。
日銀:
マネタリーベースを減らす。 
追加の緩和政策も見送るそうです。
なにやってんだかなぁ。
ここから見える点として、少なくともハイパーインフレにならないようにコントロール可能という部分です。なので、円安政策を行う上でハイパーインフレのリスクは考えなくてよいわけです。
まぁ、とりあえず本当に問題なのは、相場の急激な変動(リーマンショックのような)であって、行き過ぎた円安ではありません。(現状は行き過ぎた円高状況ですので、是正は今後も継続して必要です)
さて、本題ですが、この時期なぜか「原子力発電の再稼働に関して」の記事が
やたら多い!
党の政策論点だからかもしれませんが、あちこちで
政治家が主張するようなブログも多い。
今までそんなものを扱っていなかったのに、不自然なまでにいきなり出てくる状況。
選挙運動ですか?
特に気に入らないのが、具体的な数値を出さずに「やれ危ない」だの「やれコストがかかる」などという「反対論」です。
議論を展開するのであれば、主張側(これは反対、賛成にかかわらず)がリスクにしろ、コストにしろ、客観的証拠等を用いて証明する義務があるのですが、反論側に証拠証明を求めるケースが目につく……
(ヤフーの質問場やはてなのブログなども)
それでも個人の範囲であればかまいませんし、いろいろ言うべき話でもありません。
ただし、
ニュースサイトにまで投稿して理論を展開するのであれば話は変わってきます。しかも言いっぱなしというケースもあり、流石に呆れました。
こういうケースを見るに、どうにも「
原発は危なくて危険だから、原発を推進する政党には入れてはならない」という
選挙運動なんだろうなぁと思いますわ。
と、ここで終わったらただの愚痴なので、少し数値で遊んでみます。
論点はいくつかあるようで
- 安全性の問題
- コストの問題(発電コスト)
- 代替エネルギーの問題 
- 放射性廃棄物の処理費用の問題
- 放射性廃棄物の安全性の問題 
とりあえず、推進しようが反対しようが存在する「廃棄物」については置いておいて構わないと思います。
論点に挙げるのであれば、継続した場合と継続しない場合とでどの程度のリスクとコスト面の負担があるかどうかを提示しなければならないからです。しかし、その様なデータを提示することは不可能なので、論点として話題に出す方が間違っているといえます。(間違っているというより、出すならきちんと出せ)
そんなわけで、廃棄物について数値やら何やらを拾ってみたいと思います。
核廃棄物のリスクは10万年にわたる(Wikipedhia)というのがありますが、日本の核廃棄物の管理方法をみると、
- 使用済み燃料棒をガラス固化する。
- 30~50年保管する。
- 地下300mの所に地層処分する。
という流れです。
10万年のリスクというのは、地上で近場にある場合のことですから、地層処分した場合、核廃棄物の放射線が地上にどのような影響を及ぼすかどうかが、リスクのポイントとなります。
原子力発電整備機構:
地層処分 その安全性 
絶対とは言えないようですが、まず安全のようです。(完全に安全かどうかは別の機構が研究中。2007年に研究の中間報告書があり)
処分後は安全ですのでリスクとして考えるのは使用時と保管時の間だけとみてよいでしょう。
福島第一原発の使用済み燃料棒をプールに保管されていた状況を見ると、単純に保管しているだけの場合はリスクは考えなくてもよい気がします。どうしてもリスクを考えたいのであれば、冷却システムの設計についてどうするべきか具体的に話すべきでしょう)
使用時のリスクは「1.使用中」に含まれ、廃棄物とは別種になるので除外します。
以上より、5番の「
放射性廃棄物の安全性の問題」は、健康被害や汚染といった事態を引き起こすようなものとは考えにくく、むしろ問題になるのは、保管場所と地域住民の放射能に対する認識の部分かもしれません。
次にコストですが、地層処分するための費用はガラス固化したもの4万本あたり3兆円とあります。
原子力発電整備機構:
地層処分の費用について 
4万本あたりということですから、実際の金額はこれに増減することでしょう。
原子力発電整備機構:
高レベル放射性廃棄物について
2011年12月末までの原子力発電に伴って生じた使用済燃料を全て再処理しガラス固化体にすると、約24,700本(原子力発電所において装荷中の燃料の燃焼分も含んでいます。)になります。
とあります。また、地層処分の費用についてのページにて
原子力発電に伴って発生する高レベル放射性廃棄物は、2021年頃には、ガラス固化体に換算して約4万本に達すると見込まれており、これらの処分費用は約3兆円と試算されています。
と、このように10年で一万5千本程度の増加の見込みのようです。
以上より、放射性廃棄物の処理費用は3兆円とみてよいでしょう。
ただし、コストとして計上するべき費用はこれだけではありません。
三兆円に対して、原子力発電施設の解体費用が存在します。
原子力資料情報室:
六ヶ所再処理工場のコストは11兆円!!
建設費約3兆3700億円、運転・保守費約6兆800億円、工場の解体・廃棄物処理費約2兆2000億円
とまぁ、むしろ放射性廃棄物の解体費用よりも「工場の
解体費用の方が高くつく」様な気が数値を拾っていくうちにしてきましたw
(なお、上の数値は40年トラブルがない場合の数値のようです) 
これは再生処理する場合の施設の運営費とかなので、稼働するにしても「再生させない方が安いんだからやめようと」という心情です。
オラ、なんだか問題にすべきは「
リスク」や「
コスト」ではなく、
当初の計画通りにいかないこと、それを問題視しない体制の方じゃないかと思ってきたぞ。
参考:
原子力発電所の廃炉コスト
こちらのサイトさんの数値が正しければ
30兆円とのこと。(これには廃棄物の処理費用もはいっているようですが……)
この辺りで年間のエネルギー供給量を拾い出して、30兆円をkwhあたりで割ってやれば、1kwhあたりの負担額が見えてくるはずです。 
| 
 | 需要端供給力 | 
|---|
| 
 | MWh | 
| 2008年度 | 890038140 | 
| 2009年度 | 859613129 | 
| 2010年度 | 907536801 | 
参考:電気事業連合会:
電力統計情報
いままで積み立ててない。これから積み立てる。という前提で保管が50年。処理に30年かかるそうですから合算の80年の分割で
- 30兆円÷80年=3750億円/年
- 3750億円÷900000000000kwh
 
めんどくさかったのでググる先生の検索ボックスに張り付けました。
80年の運営費や50年の保管費用なども計上するとしても、せいぜいコスト増としては1Kwhあたり1円という所(つまり、処理費に60兆円以上で見た場合です)でしょうか。
一般家庭では月当たり500円くらい? 年間で6千円の負担増というところが、原発の廃棄に関するコストという所ですね。
これは適当に数値を拾ったものなのであしからず。 
あとは、代替エネルギー(しかもベース電力になるもの)の単価が原発の単価(処理費用を含めた値)よりも安いものであれば、コスト負担が発生する。そうでなければ、原発によるコスト負担は発生しない。とみてよいでしょう。
要するに今1kwh:22円として処理費負担+1円で23円
原発を停止して代替エネルギーした。
1Kwh:24円 原発の方が安いので、むしろ原発の方を動かせ。
1kwh:23円 コスト的に意味はない。
1kwh:22円 代替の方がコストが安くなるので、原発止めてこれ以上廃棄物が増えるような状況を許すな。
次に原発運転によるトータルコスト(税金投入額や関連機構の維持運営費などを含めたもの)で単価をきちんと出さなければなりません。現状表に出ている数値から見れば、火力よりも安いので
コストとしてとらえるようなレベルじゃない。がFAとなります。
問題として提示するのであれば、真のコスト(発電コスト)を提示してやる必要があります。
が、ここで力尽きました(というか
飽きた)
とりあえずは、廃棄にかかるコストは電力単価一円増ということでFA。
あとはそのコストが代替発電設備のコストと比較して、
高いか安いかをきちんと評価する。
では、この証明責任の所在ですが
- 原発の正しいコストを算出
- 代替発電設備の単価を数値として算出
- 評価
再稼働反対派でしょう。
もともと動いていたものを震災で停止し、予定通り再稼働するのに
安全性やコストを問題視し始めSTOPをかけているのが反対派ですからね。
最初に安全という主張を始めたのがウソだっただろうという主張はあります。しかしこの主張はあまり良いものではありません。なぜなら「津波は想定外だった」というものに基づくものであり「じゃぁ、津波対策として防波堤を作れば問題解決だよね」となるからです。また、津波の心配がないところはそのまま再稼働してしまうことにもなります。
津波を問題点としている以上、そうじゃないという主張を展開するには、 それ以外にコントロールされていなかったリスクを提示する必要があります。なお、お勧めなのが従来の「安全審査基準」や「監査の指摘事項」です。「基準を満たしていないのに建設しているのはどういうことか? 監査で指摘されているのに、なぜ放置しているのか?」 という部分です。運用体制に問題があると指摘できれば、組織体制が是正されたと証明されるまで運転を停止させることも可能です。反対派の中にはそちらの点で主張されている方も少なからず存在しますので、むしろそこを論点として重要視しましょうね。
個人的には、やはりというか、放射性廃棄物のコストとリスクについては、
再稼働しようが停止しようが同じレベルで論点としてあげる意味がない。というものですわ。
あげるのであれば、せめてきちんと「再稼働した場合としない場合とのリスクおよびコストの程度差」を明確に提示して初めて意味を成す。というものです。
最後に、個人的に原発についてどう思うか。 
- 現状の火力発電の古い設備を最新の高効率型に変更する。
- 一気にできないので、その分の不足は原発で代替する。
- リスクは当然あるが、代替火力発電設備が稼働するまでの暫定運転である。
- 保有するウランの総量を増やさないように注意し、順次再稼働した原発を停止していく。
- 8年くらいかけて、保有する原発をすべて停止させ、廃炉とする。
- 原則として30年を過ぎた原発は廃炉とする。
こんな感じです。
火力発電の単価が9円程度ですが、高効率型に変更してやれば単価は現状電力会社が提示している6円程度まで下がると予測しています。 
ロシアから海底経由でガス管を引いてやれば、年数はもっと早く済むとみています。(価格含む)
タンカーで燃料を運搬しなくて済むので、単価はかなり安く済むとみています。
なので、現在は「再稼働」が私の主張であり、問題にすべきは原発運転のリスクではなく、海底ガス管を通すためにネックになっている韓国と北朝鮮だという認識です。
この二つが反対しており、通すならウリの国を経由しろ、さらにガスは自由(無料)に使わせろ、むしろ日本が払うニダとあほなことを主張。北方領土経由と行きたいところですが、領土問題が存在するため、 これが解決しないことにはどうにもならない。
ついでに言えば、韓国で原発事故が起こったら、放射性物質が日本に降り注ぐという問題があるので、日本の原発だけを停止してもあまり意味がないという。