「柾、なんか電力自由化したら電力料金が上がるって話があるんだが、本当か?」
「何処のどいつが言ってるんですか?」
「経済産業省だ。元ネタは朝日だからどこまで信じられるかわからないけどな」
記事:廃炉費用、自由化後も電気料金に上乗せ 経産省方針
「日経でもデイリーでも記事になっていましたね。あれは原発の廃炉費用をほかの会社にも負担させるというものですよ」
「ん? ほかの会社?」
「もともと電気代には廃炉費用は含まれていました。ですが、電力自由化に伴い、従来の一次供給元、一般電気事業者と呼ばれる東京電力とか九州電力とかそういう
会社ですね。で、自由化に伴い、卸供給事業者といった他の小さな電力会社の参入が可能になっているわけです」
「【なった】、ではなく【なっている】?」
「一部は自由化になっていますから。2000年に特別高圧受電する事業者、2005年に高圧受電事業者と」
「それでなっているってわけか。じゃぁ、なんでこんなのが記事になってるんだ?」
「卸供給事業者は原発を持っていませんから、巨額な金のかかる原発の維持費や廃炉費は負担しなくていいんですよ。まぁ、他人の家のごみを兼ねだして自分で処分するなんておかしいでしょう?」
「確かにそういわれるとおかしいな。って、そうか、、、他人の家のごみを自分が処分費の一部を肩代わりするってのが今回の記事か」
「そういうわけです」
「それっておかしくね?」
「経済産業省が筋が通らないことをするのは昔からでは?」
「そうだけどさ。これは極端だろ」
「国の政策として原発を進めた以上、建設や候補地、維持に廃棄について費用も含めて責任があるんですよ。で自由化によって一般電気事業者に負担がかかる以上、負担を軽減する責任があります」
「その負担の肩代わりとして弱い者いじめの方針を出した、ということか」
「端的に言えばそういうことです」
「自分たちの給料を減らしてその分廃炉費用に充てればいいのに」
「足らないような気もしますが、まぁそんなに謙虚な連中じゃない、、以前に制度上の問題で難しいんでしょうね」
「制度上?」
「給与額だって規定に則った形ですから、それを改定しなきゃいけませんでしょう? 改定に反発はあるでしょうし、改定しても減った分だけ予算が削減されるだけで、差額を原発の廃炉費用に回すことは難しいでしょうね」
「廃炉費用のための予算の要求、予算の削減は同じテーブルの乗らないのか?」
「乗らないのが行政ですね。必要なら新たに予算を新たに都合しなければならないのが行政の仕組みですからね。まぁ財務省もない袖は振れないので行政も結果として法令違反を犯すことはざらでしょうねぇ」
「給与を削減してその分必要な部分に回すことを財務省はやらないのか?」
「各省庁のやってる中身を財務省が詳しく知らない以上、難しいでしょうね。そういう監査をするのが会計監査院の仕事ですけど、監査員での監査ではどうしてもスポットになるでしょうし、全体のマネジメントをやる大臣が中身をわかっていない政治家ですからねぇ」
「予算委員会で議論してなかったっけ?」
「あれはパフォーマンスですよ」
「うん? なんでそういえるんだ?」
「予算委員会ってのはTV中継されますからね。政治家としてのアピールの場であって、予算の中身の話は二の次なんですよ」
「そうなのか?」
「すべての決定が委員会の場で決定され、すべての流れがTV中継されている、、、というのが理想ですが、現実として委員会問題視された内容がきちんと委員会の場で処理されていますか? という質問の回答が答えですね」
「確かに議論はされるが結果が反映されたという話はあんまりだな。議論はしたというポーズか。問題置き去りで可決なんてのもザラだし」
「まぁ、そういうわけで大臣が大臣としてしっかり仕事をできるというケースはなかなかないです。能力的に厳しいでしょうしね」
「まるであるケースも存在するような言い方だな」
「この辺は微妙なんですよ。先の予算の話と同じで、大臣も政治家だから国民にとって利益になる新規事業やサービス、従来の制度の改廃は実施します。まぁ、長く大臣やってないと難しいでしょうけどね」
「国民にとって良い事ならそれは歓迎すべき事項ではないのか?」
「国の財政状況を考えずに、新たに予算をつけるとしても?」
「ん? んん?? ちょっとまて、考えるから…………………………………どういうことだ?」
「さらに借金を増やして制度を実施し、政治アピール、、、と言えばいいですか? 全員が全員そういう意図でやってはないでしょうけど……」
「それは、、、ばらまきというやつじゃないのか?」
「近いとは思いますが、あまり表に見えてこない部分でもありますから、微妙と言えば微妙です」
「微妙なら政治アピールにならないんじゃ?」
「いえ、新たな制度を開拓したということで【実績】という名誉が残りますよ」
「やっていたことをやめるのも実績にならないのか?」
「その実績が国民にとってどう影響するかですね。まぁ、ISO的に言えば【有益な環境影響】を与える制度なのか【有害な環境影響】を与える制度なのかで。まぁ、そうはいっても有益か有害とかそういう一側面であって物事ってのは評価できませんけどね」
「わかったぞ。経営者はトータルコストで評価を下す。プラスになるかマイナスになるかで最終判断を下す。でも政治家は自身の名誉で評価を下す。コストで評価を下さない、ってことか」
「そうです。結局物差しが一般人とは違うんで、私は先ほどの【その辺は微妙】というコメントにつながります。とはいえ、廃炉の件は有権者としては面白くないので多分大臣は関わってないんじゃないかと」
「行政側の責任の押しつけという感じなのか……」
「今回の件はそれもどうなんでしょうね?」
「違うのか?」
「原発を推進した手前というのもありますが、、、もともと不公平なところもありますからね。それをある程度是正する意味で今回の決定はまぁ悪くないんじゃないかなと」
「不公平?」
「民間売電業者と契約に基づき、【需要量】を満たすだけの能力を持っているならよいのですが、実際は【コスト】というか【単価】を優先しますんでね」
「?? あたりまえじゃないのか?」
「つまり、ピークに合わせて民間売電業者が市場に電力を供給するだけの能力があり、実際に電力を供給するか? という話ですよ」
「それは、、、するんじゃないのか?」
「現実は不足分の電力量を一時側の電気会社に支払って終わりという話ですよ。それに送電線の維持管理についても同じです」
「民間は負担しないのか?」
「トラブルがあった場合の問い合わせ先は民間の売電会社じゃなく、一般電気事業者の方に問い合わせてくれ、という回答をもらったことがありますからねぇ……」
「そう聞くと、民間売電業者はいいとこ取りをしているように聞こえるな」
「まさしくいいとこ取りですよ。これは小売りしているところ、つまり太陽光発電で売電している一般家庭も同じでしょう? 需要と供給バランス関係なく発電しただけ同じ単価で買い取っているわけですから」
「そういう風に言われると、優遇されているんだな。優遇という名の差別か」
「自由化が悪いわけじゃないでしょうが、公平性をどう担保するかという部分をきちんと整備しないと、後から大変でしょうね」
「優遇されていた側が優遇されなくなることで不平を言うと」
「ええ、ですから今の形のままであるなら自由化については反対の立場を取らせていただきます」
「競争も善し悪しってわけだな」
「同じテーブルで競わない時点で競争ですらないですけどね」
>いいとこ取りですよ
返信削除太陽光発電も詰まるところ「いいとこ取り」ですからねぇ。そう言えば、エネルギーの自由化で■電が▲電と組んで天然ガスを調達するそうですね。何しろ購入量が莫大ですから、コストも全然違って来ることでしょう。無論、余ったガスはガス単体で売る気でしょうし、ガス屋にしたら「いいとこ取りだろ、いい加減にしろ」ってなモンでしょうに。
名古屋鶏様、まいどです。
削除仰る通り、太陽光発電の買い取り制度ほどひどい制度は無いですね。風力とか水力とかは別扱いにしている時点で、発電制度の中では群を抜いているかと。
>いいとこ取りだろ、いい加減にしろ
結局皺寄せは今まで頑張ってたところに押し寄せるorz
テスト(柾)
返信削除名前/URLにて投稿テスト
削除マサ様
返信削除書き込みチェックです