2014年9月27日土曜日

管理体制と委員会が複数あると、めちゃくちゃ?

「柾、平準化の件、どこで調整の場を設けるつもりだ?」

「場、ですか? 実施内容について、所長に了解を得るのと合わせて、個別に各設備担当と調整するつもりです」

「ん? みんな集めて会議とか開かないのか?」

「いや、必要ないでしょ」

「衛生委員会とか安全委員会とかある場合、事務局は大抵委員会を通してるぞ。省エネ法だと環境委員会か?」

「みんなを集めても仕方がないと思いますよ。各設備共に運用方法が違うんだから、集めて議論してもグダグダになるだけで」



「それでも集めて周知する必要性はあるんじゃないのか?」

「右に倣えが出来る衛生活動なら会議体で決定することに意味はあるかもしれませんが、、、いえ、そもそも集めて何を審議するんでしょう?」

「平準化をどうするかを各部門の責任者が集まって話し合って決めるんだろ?」

「会議って基本的に『事務局がどうしたいか?』と言う前提で作成された『案』を通すのが目的でしょう? 会議で『さぁ、どうしましょうか?』とゼロベースでやって各委員が案を出し合って決めますか? いえ、そんな理想的な会議が開けるとでも?」

「しかし、省エネ法は環境管理の所掌だろう?」

「いえ、エネルギー管理の体制と環境管理の体制は別ですが?」

「しかし、省エネは環境管理の範囲だろう? エネルギーの削減は環境に影響を及ぼすんだから」

「環責ともあろうものが、本気で言っているなら勉強不足ですよ。環境管理で省エネについてみる範囲は、エネルギー管理員が選任されているか、省エネ計画や報告書が提出されているか、そいった部分です」

「いや、それは違うだろ、それだけじゃないだろ。どういった施策をするかなんかは、委員会で審議して、その場で各委員に了解を得て実施するんだろう?」

「施策も各部門との調整も全部エネルギー管理員の役割であり権限ですよ? 環境管理体制の中で決定するなんて話はありません。省エネ法は事業所単位の体制から事業者単位の体制に変わりましたから」

「だが、環境管理で面倒を見てやらないと、どうにもならないだろう?」

「指示命令が違いますよ? そもそもエネルギーの管理体制は管理員としての私の上は本社の企画推進者になります。環境管理責任者でも所長でもありません」

「じゃぁ、所長とか入れずにやるってのか?」

「協力依頼と言う形になるでしょうね」

「なら、その依頼を環境管理の中でやれば、会議体を殖やさずに済むじゃないか」

「いえ、そもそも会議体でやろうとすら思っていませんし。基本的に調整した後に運用に関する管理標準を作成し文章化した後、そのとおり運用するだけです。環境管理の出る幕はありませんが?」

「だが、ピークカットもピークシフトも、エネルギーの使用量の削減につながる以上、環境管理とは無関係ではないぞ」

「では、環境管理の体制の中で、エネルギー管理員の役割と権限はなんですか? 体制上、出てきませんよね? そこを明確にしてください」

「いや、そこまでする必要はないよ。 建前は柾が言う通りかもしれないが、本音ってものがあるだろう? 省エネの取り組むについて、環境管理で何もしないわけには行かないんだから」

「何もしなくても構わないし、何かしてもかまいませんが? 省エネ活動をやりたいのであれば、やればよいと思いますよ」

「だったら、環境管理で」

「ただし、エネルギー管理員の実施する計画と施策とは別にやってください。空調の温度設定でもいいですし、昼休みの消灯でも」

「そう言うわけには行かないだろ? 省エネ活動をやる以上、環境影響を評価してもらう形になるんだから」

「施策結果の効果の算出は事前に実施済みですが? 実測による効果の確認と報告を環境の中でも実施するなら、それは環境の中で事務局が報告したらいいんじゃないですか?」

「環境管理の中で報告するなら、、、」

「だけど、審議や議論はしないでくださいね」

「何言ってんの? そういうわけには行かないだろ」

「報告の中で留めるなら、好きなだけ環境管理の中でやってください。でも、委員会の中で審議して決定したことをやるなら、それは環境管理活動の一環になりますんで、そこの所はきちんと理解してくださいね」

「なぁ、柾。お前は環境管理の中でやりたくないのか?」

「やるならやってもいいんですよ? ただし、エネルギー管理員をきちんと態勢の中に入れて、役割と権限を与えてくださいというだけです。それに、エネルギー企画推進者との関係についても明確にする必要があるでしょうね」

「そんなめんどくさいことをやらないと駄目なの? そんなこと言ってたら、何も決定できなくなるぞ」

「何言ってるんですか。環境にしろ、安全にしろ、誰が決定するかは明確に決まっているじゃないですか。省エネも何をどうするかを決定するのはエネルギー管理員ですよ。交通安全であれば交通安全責任者が、衛生管理は衛生管理者が」

「それは環境とは関係ないだろう? 省エネが環境と関係があるから言っているんだよ」

「そんなことを言い出したら、じゃぁ、防火管理者はどうします? 危険物の薬品関係の責任者ですよ? 防火管理の事も環境管理委員会で話し合いますか? 高圧ガスはどうします? 何かあったら騒音や振動がありますよ。エネルギーはエネルギーの体制と別にあるのに一緒にやろうとしている。でも高圧ガスは高圧ガス委員会と言う委員会体があるから話は別だ、なんていうのは止めてくださいね」

「そんな部分まで言ってないだろ」

「どういう考えで、どういう基準で、環境でやると言っているんですか? それを明確にしてくださいって言っているんです」

「なぁ、柾。お前の言っていることは建前であって、本音というものがあるだろう?」

「単発ってならわかりますが、平準化は今後ずっと続きます。建前を決めずに本音だけでやるにしても、通すべき筋は通してください」

「柾。俺はな、環境の委員会の中でやれば、委員会や集会を無駄に増やさずに済むと思ったから言ってるだけで」

「環境影響評価とか、環境管理の中でやらなきゃだめだ見たいな言い方をしてて、今更それは無いでしょう? 集まる機会を増やすのがいやだっていうなら、安全委員会の後に高圧ガス委員会をやっているように、環境管理委員会の後に省エネ委員会をやればいいだけでしょう? そもそも委員会体でやるなんて体勢になってませんから、委員会を開催する必要も無いですし。それに、委員会を開催するとなると、委員会開催のための運用要領やら必要になってきます」

「俺としては、その方が楽かと思っただけで」

「より大変になりますよ。というか、環境管理でやるってなら、環境管理責任者や事務局がエネルギー管理員の業務をやるんですか? それならぜひやってください。私は助かりますから。いえ、役職が上の環責の課長がエネルギー管理員をやってください。環境管理責任者はエネルギー管理員を兼務する。それで解決ですよ」

「いや、それはやらないけど」

「課長。会議を増やしたくないなら、会議をやらなければいいんですよ。会議が必要という環境を作らず、現場サイドの調整で十分間に合うなら、それでいいじゃないですか。会議ってのは手段でしかありませんから、手段に傾向しても仕方ありませんよ」

「しかし、周知する場は必要だろう」

「周知だけなら、回覧でもメールでも十分ですよ」

「しかし、皆の話を聞いて議論は必要だろう」

「議論が必要なら必要で、その時にみんなを集めればいいんです。そもそも、環境管理の委員会の規定にない以上、相応しくありません」

「…………そんな建前ばかりじゃ、業務は回ると思っているのか?」

「本音ってのは、建前を踏まえたうえで成立するんじゃないですか。建前が無いなら、もう規定やら何やら必要ないでしょ?」

「それはそれ、これはこれだろう?」

「同じ話ですよ。抑えるべき部分を抑えたうえで、さぁ本音はどうしようか? と言うのがあるんじゃないですか。それすらない状況じゃァ、人が変われば仕事のやり方が変わって、業務の妥当性なんてどうやって評価するんですか」

「人が変われば仕事のやり方も変わるもんだ。雅はわかってないな」

「それは、自分のやり方を押し通す側の主張であって、正統じゃないですよ。単なる我が儘じゃないですか。環境の中でやるならやるでもいいですけど、それならきちんと整理してからやらないとだめですよって言ってるのに、なんで本音とか建て前とか言い出すかなぁ」

「ガチガチにやろうとするお前がおかしいんだって。わかんないかなぁ」

「それこそわかんないですよ。会社を私物化したいんですか? 談合したいんですか? 単に責任逃れしたいんですか? ちゃんとしたくないって言ってるわけですよ? 将来を見据え、ためしにやって、問題が無いようなら規定を整理しようという建設的な意見すら出てこないってのは、相当ですよ。もういいです。これ以上はエネルギー企画推進者と話し合って決めてください」

「………いや、ほんと、お前頭堅いわ」

「いやいや、漢籍の頭が柔すぎて豆腐なんですわ」



さて、本日はある種両極端にしてみました。とはいえ、実話ベースでもありますけども。

人によって考え方は違うと思いますが、個人的には環境管理の委員会という物すら不要と思っています。管理体制ってのも、そもそも「なぜそれが必要となっているのか?」というのが明確になっており「管理体制が明確になっている方が効率が良い」という明確な背景が無いのであれば、不要と考えています。そもそも管理体の規模ってのは本来各グループ単位で違うものだからです。
それこそ「各グループの共通事項であり、ルールを一本化したほうがよい」という事項、つまり「一般安全」や「一般衛生」といった部分のみ管理体制を構築し、残りの部分は各組織の組織体制に委ねれば済む。というのが柾の持論です。
ま、なかなかうまくいかないんですけどね。

4 件のコメント:

  1. いつも思うことですが。何で「上」は、ああも会議が好きなんでしょうね?時間のムダ以外の何物でも・・・

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    1. 名古屋鶏様、まいどです。
      尊敬される上司の項目に「無駄な会議に出さない、でない」という項目がありました。
      つまり、そのくらい意味がない存在なのかとw

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  2. 書いてあることがわかるんですよwww
    世の中どこも同じですね
    はっきり言って己が決定するのが恐ろしいのかって話でしょう

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    1. おばQさま、いつもありがとうございます。
      >世の中どこも同じ
      当社が特別というわけでないという確信が持てました。ありがとうございます。
      >己が決定するのが恐ろしい
      かかわってはいたいし意見も言いたい、でも責任は取りたくない。という感じなんでしょうね。
      納得です。

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